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観測型FAQ研究

子どもが自分で声に出して読むと、黙って読むより、読んだ言葉をよく覚えていたと報告されていますか?

回答の要約
単語や新しい語を覚える課題では、報告があります。オーストラリアの7〜10歳の子どもでは、声に出して読んだ語の再認が、黙って読んだ語より高かったと報告されています。小学5年生62人の実験では、文章の中の新しい英語の語を声に出した側が、声に出さなかった側より、語の意味とつづりの覚えがよかったと報告されています。ただし、ここで確認した研究が測ったのは語の再認や語いの覚えで、文章全体の理解や学校の教科の成績は、確認した抄録には報告されていません。つづりの覚えは英語の語での結果です。大人が子どもへ読み聞かせる研究とは別の問いです。

7〜10歳の実験では、声に出して読んだ語の再認が高かったと報告されています

オーストラリアの7〜10歳の子どもを対象にした2つの実験は、声に出して読んだ語の再認が、黙って読んだ語より高かったと報告しています。実験1(41人)ではなじみのある印刷語を使い、声に出す語と黙る語をまぜた並びでも、かたまりに分けた並びでも同じ向きでした。実験2(40人)では造語の長い一覧でも同じ向きで、なじみのある語と造語で効果の大きさは同程度だったとしています。

小学5年生62人の実験では、新しい語を声に出すと語いの覚え方が変わったと報告されています

低所得層の言語的少数派の小学5年生62人(平均10歳7か月)を、文章を黙読しながら下線の新しい語を声に出す条件と、見たことがあるかを印するだけで声に出さない条件に無作為に分けた実験は、声に出した側が、語の発音と意味の結びつきとつづりの覚えで上回ったと報告しています(p値が0.01より小さい)。読む力が低い子どもほど差が大きかったとしています。覚えたのは文章に埋め込まれた新しい英語の語で、文章全体の理解は測っていません。

読み聞かせの研究とは別の問いです

ここで紹介した研究は、子ども自身が文字を声に出して読む条件を調べたものです。大人が子どもへ本を読み聞かせる研究とは問いが違います。文章の内容理解や、学校の国語の成績に音読がどう関わるかは、この確認の範囲の抄録には報告されていません。

この回答が参照した研究

研究ごとに、調べた対象(標本)、報告された内容、この問いでの用い方を分けて示します。

研究 標本 この問いでの用い方
7〜10歳の子どもでも、声に出して読んだ語は黙って読んだ語よりよく覚えていたVerena E. Pritchard、Michelle Heron-Delaney、Stephanie A. Malone、Colin M. MacLeod(2020) オーストラリアのブリスベンに住む7〜10歳の子ども。実験1はなじみのある印刷語(41人)、実験2は長く並べた造語(40人)。どちらも同じ子どもが、声に出す条件と黙って読む条件の両方に参加 7〜10歳で、声に出して読んだ語の再認が黙読より高かった2つの実験
小学5年生が新しい語を声に出して読むと、語の意味とつづりをよりよく覚えていたJulie Rosenthal、Linnea C. Ehri(2011) 低所得層の言語的少数派の小学5年生62人(平均10歳7か月)。読む力で組にしたうえで、声に出す条件か、見たことがあるかを印するだけで声に出さない条件かに無作為に分けた 小学5年生62人で、新しい語を声に出すと語いの覚えがよかった実験

この回答で分からないこと

限界
ここで紹介した研究が測ったのは、単語や造語の再認、または文章中の新しい語の意味とつづりです。文章全体の理解や学校の教科の成績は、確認した抄録には報告されていません。つづりの覚えは英語の語での結果で、ひらがなや漢字での結果ではありません。対象はオーストラリアと米国の子どもで、日本の子どもを対象と明記した研究はありません。大人が読み聞かせる研究とは別です。この確認は研究の抄録の範囲で、個々の子どもに合う読み方を判定しません。
出典の層
一次資料を確認した研究2件の報告です。研究の対象と識別方法は同じではありません。