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一次資料を確認した研究

研究検証台帳

FAQとコラムが参照する研究を、政府研究機関・行政機関の報告書・出版社・大学機関リポジトリ・著者版・論文データベースの一次ページで確認したうえで登録しています。研究ごとに、調べた対象(標本)、報告された内容、一般化できない範囲(限界)を分けて記録します。

登録している研究
112件
参照している問い
52件

登録済みの研究

研究 標本 報告 一次資料
子どもの医療費助成制度の受診抑制に対する影響-大規模自治体データを用いた実証研究-阿部彩、梶原豪人、川口遼(2021) 東京都・長野県・広島県が実施した子どもの生活実態調査を統合したデータのうち、小学5年生と中学2年生のふたり親・生活保護を受けていない世帯 中学2年生では、窓口で3割を払う自治体と償還払いの自治体に住む場合、自己負担0円の自治体に比べ「受診させた方がよいと思ったが受診させなかった」経験が約2倍の確率で起きており、経済的に厳しい層ではこの関連がさらに大きかったと報告した。小学5年生では経済的に厳しい層だけに関連が見られ、償還払いは理由が「多忙」の場合だけ関連し、定額の負担では一貫した結果が得られなかったと報告した。 出版社確認日
子ども・青年の画面メディア利用と学業成績の関連(系統的レビューとメタ分析)Mireia Adelantado-Renau、Diego Moliner-Urdiales、Iván Cavero-Redondo、Maria Reyes Beltran-Valls、Vicente Martínez-Vizcaíno、Celia Álvarez-Bueno(2019) 4〜18歳の横断研究58本(計480,479人、23か国)。うちメタ分析は30本、106,653人 画面メディア全体の利用時間と学業成績に関連は見られなかったが(ES = -0.29、95%CI -0.65〜0.08)、テレビの視聴(総合成績 ES = -0.19)とテレビゲーム(総合成績 ES = -0.15)は成績の低さと関連したと報告された。 論文データベース確認日
テストの使い方を見直す:練習テストのメタ分析Olusola O. Adesope、Dominic A. Trevisan、Narayankripa Sundararajan(2017) 抄録に記載なし(メタ分析。研究数・人数は抄録に記載なし) 練習テストと、読み返しなどテストをしない条件を比べた研究をメタ分析し、練習テストのほうが読み返しやその他の比較条件より学習に有益だったと報告している。 論文データベース確認日
思い出す練習は学習を一貫して助ける:学校・教室での応用研究の系統的レビューPooja K. Agarwal、Ludmila D. Nunes、Janell R. Blunt(2021) 教室での50の実験(効果量49件、合計5,374人)。学年別の内訳は抄録に記載なし 学校・教室で行われた50の実験を整理し、57%で中程度以上の効果があったと報告している。校種・教科・最終テストの形式などが異なっても効果が見られたとしている。 著者版確認日
保育の利用可能性、世帯構造、および母親の就業Yukiko Asai、Ryo Kambayashi、Shintaro Yamaguchi(2015) 日本の都道府県別パネル(国勢調査、1990〜2010年) 都道府県固定効果を考慮すると、認可保育の供給拡大と母親の就業率上昇の関連は確認されなかった。祖父母による保育から認可保育への置き換えが示唆された。 政府研究機関確認日
日本の学校給食:小中学生のより健康的な栄養摂取への寄与Keiko Asakura、Satoshi Sasaki(2017) 12都道府県の小学校14校・中学校13校の小学生629人と中学生281人(2014年)。給食のある登校日2日と給食のない休日1日の食事記録 6割以上の栄養素で登校日と休日の摂取量に差があり、摂取不足はほぼすべて給食のない休日に多かったと報告した。脂質と食塩の過剰、食物繊維の不足は給食があっても残ったとしている。 出版社確認日
似ていることが効く:まぜて学ぶ効果とその条件のメタ分析Matthias Brunmair、Tobias Richter(2019) 59の研究(158の標本、238の効果量)をまとめたメタ分析(対象者の年齢の内訳は抄録に記載なし) まぜて示すほうが、まとめて示すより学習の成績が高いという効果は、全体で中程度(Hedges の g = 0.42)だった。絵画(g = 0.67)などの見て分ける材料で最も大きく、算数・数学の課題では小さく(g = 0.34)、説明文と味では全体として有意ではなく、単語ではまとめて示す側が上回った(g = −0.39)と報告している。種類どうしが似ている材料、同じ種類の中のちがいが大きい材料、複雑な材料ほど効果が大きかったとしている。 論文データベース確認日
給付型奨学金の提供が大学での学業継続と学位取得に与える影響:ウィスコンシン州の無作為化実験Deven E. Carlson、Felix Elwert、Nicholas Hillman、Alex Schmidt、Barbara L. Wolfe(2019) 米国ウィスコンシン州の低所得の大学生48,804人を、給付の提供を受ける群と受けない群に無作為に分けた実験 4年制大学の学生では2年間の在学継続が1.7ポイント増えたが、6年以内の学士号取得の1.5ポイントの差は統計的に有意ではなく、全体として学位取得への効果はごく小さいと報告した。 著者版確認日
テストを使って中学2年生の米国史の記憶を保たせるShana K. Carpenter、Harold Pashler、Nicholas J. Cepeda(2009) 8年生(日本の中学2年生にあたる)の生徒。人数は抄録に記載なし 米国史の事実を、1週間後、16週間後、または復習なしの条件にし、復習を再学習かテスト(答えの確認つき)で行った。9か月後のテストで、テストで復習した事実は再学習より成績がよく、復習なしの約2倍で、いちばんよかったのは16週間後にテストで復習した事実だったと報告した。 出版社確認日
進学の先を見る:所得に応じた給付型奨学金が進学・在学継続・卒業に与える因果効果Benjamin L. Castleman、Bridget Terry Long(2016) 米国フロリダ州の所得に応じた給付型奨学金で、受給資格の基準のすぐ上と下にいた学生の比較 受給資格は進学、とくに州立4年制大学への進学を増やし、単位の取得と6年以内の学士号取得も増やしたと報告した。基準付近の学生では学位取得が22%増えた。 著者版確認日
言葉を思い出す課題における分散練習:レビューと定量的な統合Nicholas J. Cepeda、Harold Pashler、Edward Vul、John T. Wixted、Doug Rohrer(2006) 184本の論文に含まれる317の実験(839件の評価)を統合したメタ分析。対象者の年齢などは抄録に記載なし 言葉を思い出す課題での分散練習の研究を統合し、学習の間隔と、最後のテストまでの期間(保持期間)が合わさって成績に影響し、最も覚えていられる学習間隔は保持期間が長いほど長くなったと報告した。 論文データベース確認日
学習における間隔効果:最も長く覚えていられる間隔の「尾根」Nicholas J. Cepeda、Edward Vul、Doug Rohrer、John T. Wixted、Harold Pashler(2008) 1,350人を超える人(年齢などは抄録に記載なし) 事実を教えたあと、最大3.5か月あけて復習し、さらに最大1年後にテストした。最後のテストまでの期間が同じなら、復習までの間隔を広げると成績はまず上がり、その後ゆるやかに下がった。成績が最もよい間隔は、テストまでの期間が長いほど長くなったが、最初の学習から復習までの間隔を、復習から最後のテストまでの期間に対する割合で見ると、1週間後のテストで約20〜40%、1年後のテストで約5〜10%へ小さくなったと報告した。 論文データベース確認日
子どもの医療費助成と受診抑制陳勝(2024) 北海道の14市町村で2016年と2021年に実施された子どもの生活実態調査(小学2年・5年、中学2年、高校2年の保護者の回答) 2回の調査の間に通院の助成が新しくできた地域・学年では、「受診させた方がよいと思ったが受診させなかった」割合が下がった例を報告した。たとえば札幌市の小学2年生では19.4%から14.0%へ、稚内市の高校2年生では20.2%から13.7%へ下がった。 大学機関リポジトリ確認日
地域が世代間の所得移動に与える影響(第1部):子ども期の居住期間の効果Raj Chetty、Nathaniel Hendren(2018) 米国で通勤圏や郡をまたいで転居した700万を超える家族の子ども(税務記録) 子どもの成人後の所得などが良い地域へ移った家族では、子どもの結果がその地域で育った年数に比例して改善し、転入先にもとから住む子どもの成人後の結果へ、居住1年あたり約4%の割合で近づいたと報告した。きょうだいの比較や、立ち退きなどで生じた転居も使って、地域の影響を家族の違いから分けている。 出版社確認日
より良い地域で育つことが子どもに与える影響:「機会への転居」実験からの新しい証拠Raj Chetty、Nathaniel Hendren、Lawrence F. Katz(2016) 米国の貧困率の高い地区の公営住宅から、貧困率の低い地区へ移るための家賃補助を抽選で受けた家族と受けなかった家族の子ども(成人後の税務記録) 13歳より前に貧困率の低い地区へ移った子どもは、大学進学率と成人後の所得が高く、ひとり親になる割合が低かったと報告した。思春期に移った子どもではわずかに負の影響が見られ、転居による混乱の影響の可能性が述べられている。 出版社確認日
教育における脳の俗説:教師の誤解の広がりと予測因子Sanne Dekker、Nikki C. Lee、Paul Howard-Jones、Jelle Jolles(2012) 英国とオランダの小中学校教師242人(脳科学と学習に関心のある教師) 脳と学習に関する32の記述(うち15が俗説)に答えるオンライン調査で、教師は俗説の平均49%を信じており、とくに市販の教育プログラムに関わる俗説で多かった。脳についての一般知識が多いほど俗説も信じやすい傾向があった。 論文データベース確認日
給付型奨学金が卒業・所得・社会的な便益に与える効果Jeffrey T. Denning、Benjamin M. Marx、Lesley J. Turner(2019) 米国テキサス州の公立大学の行政記録と、低所得の学生で連邦の給付型奨学金の額が変わる境界の比較 4年制大学の初年次の学生では、追加の給付を受けられる資格が学位取得とその後の所得を増やし、所得の増加だけで政府の支出を10年以内に取り戻せる規模だったと報告した。 出版社確認日
学習者の学びを高める効果的な学習法:認知・教育心理学から見えてきた有望な方向John Dunlosky、Katherine A. Rawson、Elizabeth J. Marsh、Mitchell J. Nathan、Daniel T. Willingham(2013) 抄録に記載なし(10の学習法の文献レビュー) 10の学習法を比べて有用性を評価し、練習テストと分散学習は、年齢や能力の異なる学習者に効果があり、多様な課題や教育現場でも成績を上げるとして高い評価とした。一方、読み返しは成績を一貫して上げず、練習テストを代わりに使うよう勧めている。 論文データベース確認日
放課後保育と親の就業Christina Felfe、Michael Lechner、Petra Thiemann(2016) スイスの2010年の国勢調査の個票。州(カントン)ごとの放課後保育の規定の違いを使い、州境に近い地域に限って比較 放課後保育の提供は、全体としては親の就業に影響がみられなかった一方、母親がフルタイムで働くことには正の影響があったと報告した。 大学機関リポジトリ確認日
施設型の放課後保育と子どもの発達Christina Felfe、Larissa Zierow(2014) ドイツの子どもパネル調査(2002〜2005年)の小学生。以前の発達状態を考慮する付加価値モデルで推定 施設型の放課後保育への通所は、平均では学校の成績や社会行動面の発達に有意な影響がみられなかった一方、母親の学歴が低い家庭や低所得家庭の子どもでは社会行動面の発達に良い影響があったと報告した。 出版社確認日
打った講義ノートと手書きの講義ノートと大学生の成績:メタ分析Abraham E. Flanigan、Jordan Wheeler、Tiphaine Colliot、Junrong Lu、Kenneth A. Kiewra(2024) 大学生を対象にした21論文・24の研究(実験と準実験)をまとめたメタ分析 手書きでノートを取り、それを見直した側のほうが成績が高かった(Hedges の g = 0.248)一方、ノートの量は打った側が多かった(g = 0.919)と報告している。著者は、手書きのノートのほうが勉強と記憶に役立ち、成績を高めるとまとめている。 出版社確認日
教育の機会均等と予約採用の効用藤村 正司(2007) 2005年11月に全国の高校3年生とその保護者(4,000人)を対象に行われた進路調査と、その追跡調査 性別・きょうだい数・成績・父親の教育年数などを一定にしても、低所得層では予約採用で奨学金の採用が決まった生徒は、決まらなかった生徒より大学を志願しやすく、オッズ(なりやすさの比)は3倍近かったと報告した。 出版社確認日
フリースクールからの大学進学をめぐるジレンマ ―大学進学がもたらす光と影―藤村晃成(2018) 中国地方のNPO法人フリースクール1施設の卒業生6名へのインタビュー(2015年10月〜2017年3月)と施設でのフィールドワーク 卒業生は大学進学を、施設の経験を肯定できる「成功」として意味づけていた。一方で、その意味づけが大学生活への過剰な適応や、休学・退学といった困難の背景にもなっていたと報告している。 出版社確認日
幼児向けフォーマル保育へのアクセスと親の就業および所得Taiyo Fukai、Ayako Kondo(2024) 匿名の都市自治体で認可保育所へ申し込んだ0・1歳児世帯(2016〜2017年を含む行政記録) 入園選考の境界付近にいる申込世帯では、認可保育所への入園が母親の就業と給与所得を増やしたと報告した。 政府研究機関確認日
小児医療の自己負担がないことが世帯所得別の医療の利用に与える影響 回帰不連続デザインShingo Fukuma、Hirotaka Kato、Reo Takaku、Yusuke Tsugawa(2023) 全国の診療報酬請求データベースの20歳未満の子ども(2018年4月〜2022年3月)。自己負担が0から3割へ上がる年齢(地域により6〜20歳)の前後にいる49,556人を分析 自己負担がないことは、外来の受診日数が年5.26日多いこと、外来の医療費が年369米ドル多いことと関連し、入院の利用の変化は確認されなかったと報告した。外来の増え方は、世帯所得の高い子ども(5.96日)で低い子ども(2.64日)より大きかったと報告した。 出版社確認日
小児医療費無償化が医療利用と健康アウトカムに与える影響:因果効果と異質性の評価福間真悟(2025) 全国規模の保険者データの子ども454,934人(2018〜2023年度)。自治体ごとの助成の基準となる生年月日の前後を比較 助成の対象から外れると、外来の受診日数が年1.04日、時間外受診が年0.14回、総医療費が年5,192円減り、抗アレルギー薬と気管支喘息の薬の処方も減ったと報告した。入院回数に有意な変化はなく、抗生物質の処方回数の変化も有意ではなかった。影響は前年度の医療利用が多い子どもと、助成の対象年齢が高い自治体で大きかったと報告した。 政府研究機関確認日
モダリティ効果のメタ分析(図は目で、説明は耳で)Paul Ginns(2005) 43の独立した効果(対象者の年齢・人数は抄録に記載なし) 図などの視覚情報に、文字ではなく音声で説明を添えると学習によいという仮説が、このメタ分析で支持されたと報告された。特に機械がペースを決める提示で効果が強く出た。 出版社確認日
小学校の語彙学習で、思い出す練習は丁寧な読み直しより効果があるかNicole A. M. C. Goossens、Gino Camp、Peter P. J. L. Verkoeijen、Huib K. Tabbers、Rolf A. Zwaan(2014) 9歳の子ども(人数は抄録に記載なし。2つの実験) 語の定義を学び、読み直す群・関連づけながら読み直す群・語を思い出す群を比べた。1週間後の穴埋めテストでは思い出す群が他の群を上回ったが、多肢選択テストでは差がなかったと報告している。 出版社確認日
在籍校の変更と学力の伸び:教育の中断と継続の事例研究Jeffrey Grigg(2012) 学区の通学区域の大きな変更が行われた時期の、米国ナッシュビル都市圏の公立学校3〜8年生の追跡データ 小学校から中学校への進学のような学年の切り替えによる移動を含む4種類の在籍校の変更すべてで、変更した年の読解・算数の学力の伸びが低く、その差は年間の予想される伸びの約6%、授業日数で約10日分に当たると報告した。 出版社確認日
奨学金は大学への進学、大学卒業後の収入拡大・正規雇用の促進に寄与しているのか萩原 里紗、深堀 遼太郎(2016) 大学生の生活実態調査、2005〜2011年の高校生の進路追跡調査、2014年度の教育費負担の実態調査など、既存の全国調査の個票データ 日本学生支援機構の予約採用(高校在学中に奨学金の採用が決まる仕組み)には大学進学を促す効果があったと報告した。奨学金を得て大学を卒業した人は高卒者より卒業直後の収入・時間当たり賃金・正規就業率が高い一方、同じ大卒者どうしでは差がみられなかった。 大学機関リポジトリ確認日
学校給食の政策は誰にでも及ぶ:米国の学校給食制度への小売の反応Jessie Handbury、Sarah Moshary(2021) 米国の小売店の販売記録。全校生徒の給食を無料にできる制度(地域適格制度)が地域ごとに順に導入された時期の違いを比較 地域で全員無料化が始まると子どものいる家庭が食料品の購入を減らし、大手チェーンの食料品販売が約10%減ったと報告した。影響の大きいチェーンは全店で価格を約2.5%下げ、対象外の家庭にも食費の負担が下がる波及があったと推計している。 著者版確認日
混乱か、より良い学校への移動か:転校の費用と便益Eric A. Hanushek、John F. Kain、Steven G. Rivkin(2004) 米国テキサス州の公立学校で4〜7年生を追跡した3つの学年集団(1学年あたり20万人超、1990年代半ば)の算数の学力記録 学区をまたぐ転校では平均して学校の質がわずかに上がった一方、同じ学区内の転校では学校の質の改善は見られず、転校した年に短期の学力の伸びの低下が見られたと報告した。転校した本人の負担には年度途中かどうかで差は確認されなかったが、学校全体の転入の多さは転校していない子の学力の伸びも下げ、その影響は年度途中の転入で大きく、低所得層の子どもに集中していたと報告した。 著者版確認日
学童保育の拡大が女性の就業率に与える影響平河茉璃絵、浅田義久(2018) 1985〜2010年(5年ごと)の東京都の市区町村集計データ。年齢階級別の女性の就業率と、5〜10歳人口1人当たりの学童保育の定員比率 所得、親との同居率、保育所の利用可能性などの地域属性を考慮しても、学童保育の定員比率の増加が35〜39歳と40〜44歳の女性の就業率を有意に高めたと報告した。 政府研究機関確認日
全員対象へ:学校給食の無料化が子どもの体重に与える影響Angus Holford、Birgitta Rabe(2022) 英国イングランドで2014年9月から始まった、公立学校の入学後3年間の給食の全員無料化。4〜5歳児の身体測定記録を、測定時期の違いを使って比較 全員無料の給食に触れた期間が長いほど、入学1年目の終わりに普通体重の子どもが増え、肥満とBMIが下がったと報告した。主に、以前は所得要件で対象外だった子どもが家庭の弁当から給食へ切り替えたことによるとみており、家計の所得や親の就業への影響はほとんど見られなかったとしている。 大学機関リポジトリ確認日
世帯収入別にみた、給食のある日とない日の日本の小学生の栄養素充足Chika Horikawa、Nobuko Murayama、Hiromi Ishida、Taeko Yamamoto、Sayaka Hazano、Akemi Nakanishi、Yumi Arai、Miho Nozue、Yukiko Yoshioka、Saori Saito、Aya Abe(2020) 東日本4県の公立小学校19校の5年生836人。給食のある日2日とない日2日の食事記録と、保護者が回答した世帯収入(低・中・高の3区分) どの収入区分でも、給食のない日は多くの栄養素で摂取不足が多かったと報告した。給食のない日には低収入の子どもで鉄・亜鉛などの不足が中収入より多く、給食のある日にはこの差が有意でなかったとしている。 出版社確認日
奨学金は大学中退を抑制するか――時系列データを用いた検討朴澤 泰男(2016) 学校基本調査から入学年度別に推計した日本全体の大学中退率(1973〜2005年入学の33時点) 家計所得の増加、日本学生支援機構(旧日本育英会)の奨学金受給率の上昇、大卒者の高卒者に対する相対賃金の上昇などが、1〜2年ほど遅れて中退率の低下と結び付いていたと報告した。 出版社確認日
子どもは無料で? 患者の自己負担と医療の利用Toshiaki Iizuka、Hitoshi Shigeoka(2018) 大企業の健康保険組合の診療報酬請求データ(2005年4月〜2015年3月)のうち、市区町村の助成が年齢と時期で切り替わった7〜14歳の子ども 窓口負担が3割から0円になると、月に1回以上外来を受診する確率が6〜8ポイント(助成なしの平均32%に対して19〜25%)上がり、外来の医療費は22〜31%増えたと報告した。増えた受診によって回避可能とされる入院は減らず、短中期の健康の改善も見られなかった一方、不適切な抗菌薬の使用と時間外受診は増えたと報告した。 著者版確認日
0円は特別な価格か 子どもの医療からの証拠Toshiaki Iizuka、Hitoshi Shigeoka(2022) 大企業の健康保険組合の診療報酬請求データ(2005年4月〜2015年3月)のうち、市区町村の助成が0円・少額の定額・定率の負担で異なった7〜14歳の子ども 窓口負担が0円のときは、少額でも負担がある場合と比べて受診が不連続に増え、0円は比較的健康な子どもの利用を増やし、不適切な抗菌薬の使用も増やしたと報告した。1回あたり2米ドル程度の少額の自己負担は、主に健康で受診の多い子どもの利用を減らし、病気がちな子どもの受診は大きく妨げず、家計の金銭的な危険もあまり増やさなかったと報告した。 出版社確認日
日本の中学生の学校給食と体格:国民健康・栄養調査からSuzuna Iwano、Kotone Tanaka、Aru Takaoka、Daisuke Machida、Yasutake Tomata(2025) 2014年と2018年の国民健康・栄養調査を合わせた12〜15歳の323人(給食を食べている人は65.6%) 給食を食べている生徒と食べていない生徒で、普通体重・過体重と肥満・やせのいずれの割合にも有意な差は見られなかったと報告した。 出版社確認日
小学3年生におけるテスト強化学習Antônio Jaeger、Raquel Eloísa Eisenkraemer、Lílian Milnitsky Stein(2015) 小学3年生(人数は抄録に記載なし。1つの実験) 短い百科事典の文章を2回読んだあと、ヒントつきの再生テストを受けた子どもと、もう2回読み直した子どもを比べた。7日後の4択テストの正答率は、テストを受けた群が87%、読み直した群が53%だったと報告している。 出版社確認日
登校の困難がある子どもへの認知行動療法の系統的レビューとメタ分析Sarah Jakobsen、Katrine B. Tølbøll、Mikael Thastum、Johanne J. Lomholt(2025) 1985〜2024年の文献から選んだ、登校の困難に焦点を当てた認知行動療法の研究15件(無作為化比較試験4件、対照群のない試験11件)、計932名の子ども 対照群と比べると、認知行動療法は出席に中程度の効果(g = 0.44)を示した一方、不安(g = −0.09)と抑うつ(g = −0.14)への効果は統計的に有意でなかった。研究間の違いや偏りのおそれ、測り方の不統一があり、さらなる比較試験が必要としている。 大学機関リポジトリ確認日
学校が遅くまで開くとき:21世紀コミュニティ学習センター事業の全国評価 最終報告Susanne James-Burdumy、Mark Dynarski、Mary Moore、John Deke、Wendy Mansfield、Carol Pistorino(2005) 米国の12学区・26センターで、小学生を放課後プログラムに通う群と通わない群へ無作為に割り当て、2000〜2001年度から2学年度追跡(米国教育省の委託評価) 通う群は放課後に親やきょうだい以外の大人に見守られることが増えた一方、学力への影響はほとんどなく、一部の好ましくない行動は通う群で多かったと報告した。通う群の小学生は放課後をより安全だと感じていた。 政府研究機関確認日
子ども期の転居と健康:系統的レビューTimothy Jelleyman、Nick Spencer(2008) 子ども期の転居を説明変数とし、健康の結果を測った医学・社会科学の22研究 転居と関連した結果として、行動・情緒の問題の多さ、10代の妊娠、違法薬物の使用開始の早さ、思春期のうつ、医療の継続性の低下を挙げた。質が低いと評価された研究ほど統計的に有意な結果を示しにくく、研究間の違いが大きいため統合はできなかったと報告した。 大学機関リポジトリ確認日
フリースクール・サポート校等における進路指導・キャリアガイダンスに関する調査結果労働政策研究・研修機構(2020) フリースクール・サポート校等384施設へ郵送した質問紙調査の回答120施設(回収率31.3%、平成30年4〜5月)。対象は主に中学卒業後の15〜19歳の生徒への支援 個別の学習(通信制高校の学習の支援など)は回答施設の9割以上で行われていた。施設の半数で1万円〜5万円未満の入会金が設定され、月額の会費も1万円〜5万円未満が5割程度で、過去5年以内に経済的理由で退会した利用者がいると答えた施設は4割程度だった。卒業生の追跡調査は、実施している施設とそうでない施設に分かれていた。 政府研究機関確認日
日本の学校を拠点とする放課後プログラムの評価:子どもの日常の活動と社会情動的発達への影響Fuyuko Kanefuji(2015) 東京都の小学生5,307人への質問紙調査。文部科学省の「放課後子供教室」を対象とした評価 放課後子供教室への参加が、他者への共感的な理解と、興味・意欲の高まりという2つの面の社会情動的発達に寄与している可能性が高いと報告した。 出版社確認日
長期にわたる思い出し練習:間隔は広げていくのか、等しくするのかSean H. K. Kang、Robert V. Lindsey、Michael C. Mozer、Harold Pashler(2014) 外国語の語彙を学ぶ参加者。人数・年齢は抄録に記載なし 外国語の語彙を4週間にわたって練習し、日数を広げていく間隔と等しい間隔を比べた。訓練の8週間後の最終テストの成績は両者で同等で、訓練期間中に思い出せる度合いの平均は広げる間隔のほうがかなり高かったと報告した。 論文データベース確認日
間隔をあけた反復は効率よく効果的な学習を促すSean H. K. Kang(2016) 特定の対象者はなく、認知心理学・教育心理学の多数の研究をまとめた政策向けの解説(抄録に人数の記載なし) 学習の繰り返しを時間をあけて行うと、続けて繰り返すより長期の学習成績がよいことが数百の研究で示されてきたとまとめ、テストを組み合わせるとさらに効果が増し、記憶・問題解決・新しい場面への応用で効果があるとした。 出版社確認日
無料の医療は子どもの受診と健康を改善するか 未就学児の医療費助成からの証拠Cheolmin Kang、Akira Kawamura、Haruko Noguchi(2022) 1990年代に助成を導入・拡大した人口の比較的多い33市区町村の0〜6歳児について、議会の議事録から集めた助成状況と全国を代表する4つの個票データを結び付けたデータ 助成は外来の利用(受診の間隔、再来患者数、月々の医療費)を増やし、入院全体の利用にはほとんど影響がなく、1歳未満で手術を受けた子どもでは在院日数が延びたと報告した。保護者が答える発熱やせきなどの症状は減ったが、医師が評価する退院時の転帰と死亡率の改善は全体では見られず、1歳未満に限って見られたと報告した。 著者版確認日
思い出す練習を小学生に使うには、手助けつきの思い出しが要るJeffrey D. Karpicke、Janell R. Blunt、Megan A. Smith、Stephanie S. Karpicke(2014) 小学生(教室での活動。人数・学年は抄録に記載なし。3つの実験) 大学生で効く方法を小学生に当てはめた。何も見ずに文章を自由に思い出させると、思い出せたのは約10%で、読み直しても伸びはほとんどなかった。一方、問いを地図の形で並べた手助けつきの思い出しは、繰り返し読むより学習を高めたと報告している。 出版社確認日
小学生における思い出す練習の良い効果Jeffrey D. Karpicke、Janell R. Blunt、Megan A. Smith(2016) 子ども88人(平均年齢10歳。3つの実験) 単語のリストを学んだあと、読み直した子どもと、思い出す練習をした子どもを比べた。3つの実験すべてで、思い出す練習をした群の成績が高いと報告している。効果は読解力や処理速度の個人差に左右されなかったとしている。 論文データベース確認日
間隔をあけた思い出し練習:合計の間隔が大きいほどよく、間隔の広げ方は関係しなかったJeffrey D. Karpicke、Andrew Bauernschmidt(2011) 実験の参加者。人数・年齢は抄録に記載なし 全項目を思い出せるまで学んだあと、3回の思い出しテストをいろいろな間隔の組み方で行った。テストの間隔の合計が長いほど長期の記憶がよく、間隔なしと比べて200%の向上があった。一方、広げていく・等しい・縮めていく、のどの組み方も他より優れる証拠はなかったと報告した。 論文データベース確認日
外来の自己負担の軽減が子どもの入院に与える影響Hirotaka Kato、Rei Goto(2017) 診断群分類(DPC)データベースの2012・2013年度の子どもの入院患者366,566人を1,390市区町村ごとに集計したデータ 通院の助成の拡大は、入院全体の件数に有意な影響を示さなかったと報告した。地域別では所得の低い地域で入院が減り、所得の高い地域で増え、所得の低い地域では救急入院と外来で管理できるとされる病気による入院が減ったと報告した。 出版社確認日
手書きか、キーボードか:ペンとキーボードの書く練習が幼児の読み書きに与える影響Markus Kiefer、Stefanie Schuler、Carmen Mayer、Natalie M. Trumpp、Katrin Hille、Steffi Sachse(2015) ドイツの幼稚園に通う子ども(人数は抄録に記載なし。16回の練習) ドイツ語の8つの文字を、紙にペンで書く練習か、コンピュータのキーボードで打つ練習で、内容をそろえた文字遊びとして学ばせた。文字を見分ける・名前を言う・書くなどのどの課題でも、打つ練習が上回ることはなく、単語を書く課題では手書きの練習が上回り、単語を読む課題でも手書きの側が上回る傾向だったと報告している。 論文データベース確認日
保育が母親の就業に与える影響Miki Kohara、Mao Nakayama(2024) 第1子出産後の母親の就業追跡と、居住市・最寄駅に結び付けた2010年前後の保育施設行政データ 認可施設が不足する地域では、認可外等の保育供給増加が母親の早い就業復帰と関連したと報告した。 大学機関リポジトリ確認日
転校児童の新しい学校への適応過程小泉令三(1986) 小学3〜6年生の転校児童40人、前年度の転校児童65人、もとから在籍する児童120人(転校後3か月間に4回の質問紙調査) 転校児童は最初の2回の調査で、級友や教師との関わりの得点が他の2群より低く、最初の3回の調査で学校の施設・設備の認知の得点が低かったと報告した。学級に受け入れられているという感じ方や学習への興味では、3群に差はなかった。 出版社確認日
受け入れ学級のクラス替えが転校児童の交友関係に与える影響小泉令三(1987) 4月に転校した小学3〜6年生の転校児童40人と学級の児童(3か月間に4回の測定) クラス替えをしなかった5・6年生の学級では、4月の時点で転校児童の級友との心理的な距離の指標が、もとからの児童より低かった。クラス替えをした5・6年生の学級と、3・4年生の学級では、この差は見られなかったと報告した。 出版社確認日
学校給食の全員無料化と子どもの肥満Anna M. Localio、Melissa A. Knox、Anirban Basu、Tom Lindman、Lina Pinero Walkinshaw、Jessica C. Jones-Smith(2024) 米国カリフォルニア州の公立学校で、全校生徒の給食を無料にできる制度の対象となった3,531校。2013〜2019年に5・7・9年生で測ったBMIから学校ごとの肥満の割合を算出 制度に参加した学校では、参加しなかった対象校と比べて肥満の割合が0.60ポイント下がり、もとの割合に対して2.4%の減少にあたったと報告した。提供食数は参加校でだけ増えたとしている。 出版社確認日
俗説を払う:教育や神経科学の訓練は脳の俗説を信じる率を下げるが、なくしはしないKelly Macdonald、Laura Germine、Alida Anderson、Joanna Christodoulou、Lauren M. McGrath(2017) 米国の教育者598人、神経科学に詳しい人234人、一般の人3,045人(オンライン調査) 脳の俗説の平均支持率は一般の人68%、教育者56%、神経科学に詳しい人46%だった。どの集団でも最も多く支持された俗説は、学習スタイルと読み書き障害に関するものだった。 論文データベース確認日
学校給食の無料化が家計の食料品購入に与える影響:米国の全員無料化制度からMichelle Marcus、Katherine G. Yewell(2022) 米国の家計の購買記録。貧困世帯の多い学校が全校生徒の給食を無料にできる制度(地域適格制度)への郵便番号単位のさらされ方で比較 子どものいる家庭の月々の食料品支出が約5%減り、制度の対象が多い地域ほど減少が大きかったと報告した。低所得世帯では購入する食品の質の改善と、食料不安に分類される世帯の減少も報告している。 著者版確認日
学級全員への栄養に配慮した昼食:中学生の体重への短期・長期の影響Shiko Maruyama、Sayaka Nakamura(2025) 1975〜1994年の国民栄養調査で身長・体重を測った中学生と小学生。中学校給食のない地区とある地区を、小学生を比較対照にして差の差で比べた 全体では体重への有意な影響はほぼ見られなかったが、父親が事務職以外の家庭や支出の少ない家庭の子どもでは、中学校給食がないとBMIと肥満が増えたと報告した。やせへの影響はほとんど見られず、肥満を抑える関連は中学卒業後数年も残ったとしている。 出版社確認日
学校に行くことへの強い不安や苦痛がある小中高生への心理社会的支援の系統的レビューBrandy R. Maynard、Kristen E. Brendel、Jeffery J. Bulanda、David Heyne、Aaron M. Thompson、Therese D. Pigott(2015) 2013年11月までの文献検索で選ばれた8研究(無作為化比較試験6件、準実験2件)、学校に行くことへの強い苦痛を伴う欠席がある子ども計435名。8研究中5件は医療機関での実施 心理社会的支援(8研究中7研究が認知行動療法の変形)は、対照群と比べて出席に統計的に有意な改善を示した(効果量 g = 0.54)。不安の改善は統計的に有意でなかった(g = 0.06)。多くの研究に偏りのおそれがあり、効果の推定は慎重に扱う必要があるとしている。 出版社確認日
中学理科の小テスト:授業の試験での転移の成功Mark A. McDaniel、Ruthann C. Thomas、Pooja K. Agarwal、Kathleen B. McDermott、Henry L. Roediger(2013) 中学校の理科の授業(人数は抄録に記載なし。2つの実験) 間隔をあけた3回の多肢選択の小テストを受けた単元では、授業の試験で小テストと同じ問題でも、同じ内容を別の形で問う転移問題でも、大きな効果量の成績向上があったと報告している。実験2では、応用の問いで練習すると定義の問いにも別の応用の問いにも効いたが、定義の問いで練習しても応用の問いには効かなかった。 出版社確認日
転校と学力:メタ分析Majida Mehana、Arthur J. Reynolds(2004) 幼稚園から小学6年生までの転校と読解・算数の学力を調べた1975〜1994年の26研究(標本数は62〜15,000人) 個々の研究の効果量はほぼすべて負で、統合した効果量は読解でマイナス0.25、算数でマイナス0.22だったと報告した。転校の頻度、家庭の社会経済的地位、学年で効果量がばらつき、軍人家庭の子どもを対象にした標本は例外だった。 大学機関リポジトリ確認日
「不登校経験者等を対象とする調査」~不登校・いじめ対策等の効果的な活用の推進に向けた調査研究報告書~有限責任監査法人トーマツ(文部科学省委託)(2025) 小・中学校で不登校を経験したと答えた18〜59歳。調査会社のパネルによるインターネット調査18,207人と、支援団体・自治体の協力によるオンライン調査321人(令和7年2〜3月)、ほかにインタビュー13人と支援団体4団体 本人が振り返った休みはじめのきっかけは、インターネット調査では友人との関係(いやがらせやいじめ)が47.5%で最も多く、オンライン調査では精神的不調が46.4%で最も多かった。不登校当時に相談した機関や人が「なし」の割合は、インターネット調査で51.1%、オンライン調査で20.2%だった。中学校卒業後について、人との関わりに苦労したという回答と、成長した・視野が広がったという回答がともに半数を超えた。 行政機関の報告書確認日
「不登校に関する実態調査」~平成18年度不登校生徒に関する追跡調査報告書~文部科学省 不登校生徒に関する追跡調査研究会(2014) 平成18年度に中学3年に在籍し不登校として計上された41,043人が対象。在籍中学校への調査28,388人分、本人への無記名アンケート1,604人(平成24年1〜3月、20歳前後)、インタビュー379人 アンケートの回答者では、中学卒業後の高校進学率は85.1%、高校中退率は14.0%で、平成5年度の不登校生徒を追った前回調査(65.3%、37.9%)より高校進学率が高く中退率が低かった。20歳時点で就学か就業をしている人は81.9%だった。中学3年当時に受けていた支援は、学校の相談員が34.0%、教育支援センターが19.7%、フリースクールなどの民間施設が8.8%で、何も利用しなかったは22.5%だった。 行政機関の報告書確認日
文部科学省委託事業 不登校の要因分析に関する調査研究 報告書公益社団法人子どもの発達科学研究所、浜松医科大学子どものこころの発達研究センター(2024) 協力した4教育委員会(大阪府吹田市・広島県府中市・宮崎県延岡市・山梨県)で、令和4年度に小学3年〜高校1年(中学3年を除く)だった児童生徒19,005名、保護者12,140名、担任教師等(児童生徒24,943名分)への質問紙調査。不登校の比較は、教師が不登校と報告し本人も年間30日以上の欠席と答えた239名(保護者は200名) 不登校のきっかけについて、学業の不振や宿題の提出は教師・本人・保護者の回答割合が比較的近かった。一方、いじめ被害、教職員への反抗・反発、教職員からの叱責などは教師と本人・保護者で回答割合に違いがあり、体調不良・不安や抑うつ・睡眠や朝起きられないといった心身や生活リズムの不調は、本人と保護者の約7〜8割が挙げたのに対し、教師は2割弱だった。学校内外で相談・指導を受けていないと報告された子どもでは、学業不振や宿題の問題が多く見られたと報告している。 行政機関の報告書確認日
21世紀出生児縦断調査(平成13年出生児)特別報告文部科学省、浜銀総合研究所(2023) 2001年に生まれた子どもを追う全国の縦断調査のうち、修学支援新制度の開始直前に高校を卒業した1月生まれと、開始年度に進学した7月生まれの比較(文部科学省の調査研究として浜銀総合研究所が分析) 世帯年収210万〜370万円の層では、新制度の対象になった7月生まれの高等教育進学率が1月生まれより9.2ポイント高く、学力や親の学歴などを考慮しても差が残ったと報告した。210万円以下の層では有意な差はみられず、進学後の給付型奨学金の受給率は両層の7月生まれで5割前後だった。 行政機関の報告書確認日
学生ローンと住宅の取得Alvaro A. Mezza、Daniel R. Ringo、Shane M. Sherlund、Kamila Sommer(2017) 2004年に23〜31歳だった米国の全国的な世代を1997〜2010年まで追った、信用情報と在学歴を結び付けた行政データ 出身州の公立4年制大学の授業料の変化を手がかりに借入額の影響を取り出すと、学生ローンが10%増えると、学校を離れてから5年間の住宅取得率が1〜2ポイント下がったと報告した。 政府研究機関確認日
医療費助成が小中学生の医療の利用に与える影響 地域の自然実験Atsushi Miyawaki、Yasuki Kobayashi(2019) ある県で助成が拡大された前後の、国民健康保険に加入する子どもの診療報酬請求データ(2013年4月〜2017年1月) 通院・入院の自己負担に月ごとの上限を設ける仕組みは、外来・入院の医療費に有意な影響を示さなかったと報告した。薬の自己負担をなくす仕組みは処方薬の支出を全体で116%、健康状態のよい子どもで121%に増やし、健康状態のよくない子どもでは増やさなかったと報告した。 出版社確認日
学校給食が中学生の過体重・肥満に与える影響:日本の全国研究Atsushi Miyawaki、J. S. Lee、Yasuki Kobayashi(2019) 2006〜2015年の政府統計を使った都道府県別の集計パネル。公立中学校の給食実施率と、13〜15歳の過体重・肥満の割合(性別・出生年別のコホート) 男子では、給食実施率が高い都道府県ほど後の年の過体重・肥満の割合が低くなる関連を報告した。女子では負の方向だが有意でなく、やせや平均体重・身長には有意な関連がなかったとしている。 出版社確認日
医療費助成の対象から外れることが子どもの受診に与える影響 差の差分析Atsushi Miyawaki、Haruko Noguchi、Yasuki Kobayashi(2017) 都市部の国民健康保険に加入する小学2〜4年生2,896人の診療報酬請求データ(2012年4月〜2014年3月、69,504人月) 4年生への進級で助成の対象から外れ自己負担が上がると、外来の利用が全体として減り、減り方は軽い病気や慢性の病気で大きかったと報告した。入院の利用は増えたが、健康の悪化ではなく外来から入院への置き換えによるものと報告した。 大学機関リポジトリ確認日
転居などの大きな出来事は心の健康にどう影響するか:英国の子どもの縦断分析Tim Morris、David Manley、Kate Northstone、Clive E. Sabel(2017) 英国の地域出生コホートの子どもについて、4・7・10・12歳で測った情緒・行動の問題の質問票(延べ18,699回分の観察) 転居した子としなかった子の関連の多くは、子どもどうしのもともとの違いで説明された。ただし、同じ子どもの中でも転居した時期の後に心の健康が悪くなる関連が残り、大きな生活上の出来事を考慮しても関連は弱まるものの消えなかったと報告した。転居への反応には子どもによる差が大きかった。 大学機関リポジトリ確認日
ペンはキーボードより強し:手書きのノートがパソコンのノートより優れる点Pam A. Mueller、Daniel M. Oppenheimer(2014) 学生(3つの研究。人数は抄録に記載なし) パソコンをノートを取ることだけに使った場合でも、パソコンでノートを取った学生は、手書きでノートを取った学生より、考え方を問う問題の成績が低かったと報告している。ノートを多く取ることは役に立つ一方、パソコンでは講義をそのまま書き写しがちで、自分の言葉に言い換えないことが学習を妨げているとしている。 論文データベース確認日
小学生後半の電子メディア利用と学業成績(追跡研究)Lisa K. Mundy、Louise D. Canterford、Monsurul Hoq、Tim Olds、Margarita Moreno-Betancur、Susan Margaret Sawyer、Silja K. Kosola、George C. Patton(2020) オーストラリア・メルボルンの子ども1,239人(8〜9歳から10〜11歳まで追跡) 全国学力テストの得点で、8〜9歳のときの成績をそろえたうえで、テレビを1日2時間超見ていた子は10〜11歳の読みの得点が12点低く(1年の学びの約3分の1にあたるとしている)、コンピュータを1日1時間超使っていた子は算数の得点が12点低かったと報告された。テレビゲームでは関連が見られなかった。 論文データベース確認日
世帯収入は日本の小学生の食品・栄養摂取と関連し、とくに給食のない日に関連が見られるNobuko Murayama、Hiromi Ishida、Taeko Yamamoto、Sayaka Hazano、Akemi Nakanishi、Yumi Arai、Miho Nozue、Yukiko Yoshioka、Saori Saito、Aya Abe(2017) 東日本4県の公立小学校19校の5年生と保護者836組(2013年9〜12月)。給食のある日2日とない日2日の写真付き食事記録 世帯収入が低いほど魚介類・緑黄色野菜やたんぱく質などの摂取が少ない関連が見られ、その関連は給食のある日には有意でなく、給食のない日に有意だったと報告した。 出版社確認日
認可保育所と学童保育が母親の就業に与える影響中山真緒(2021) 「消費生活に関するパネル調査」の母親(慶應義塾大学パネルデータ設計・解析センターのディスカッションペーパー DP2021-006) 学童保育の利用は母親の就業確率には有意な影響がなかった一方、正規雇用の確率と労働時間には有意に正の影響があり、小学校入学前から働いていた母親で影響が大きかったと報告した。認可保育所の利用が低学年での学童保育の利用確率を高める関係は、核家族でだけ観察された。 大学機関リポジトリ確認日
子どもを持つ余裕はあるか:借入と米国の若者Michael Nau、Rachel E. Dwyer、Randy Hodson(2015) 米国の1997年時点の若者を追う全国縦断調査(2000年代に成人期を迎えた世代) 学生ローンは女性の第1子の出産を遅らせ、とくに借入額がかなり大きい場合に目立ったと報告した。住宅ローンやクレジットカードの借入は、逆に親になることに先立って現れていた。 著者版確認日
小学校算数でのまぜた学習:ひき算の解き方を柔軟に使い分けることへの効果Lea Nemeth、Katharina Werker、Julia Arend、Sebastian Vogel、Frank Lipowsky(2019) ドイツの小学3年生236人(まぜて学ぶ群とまとめて学ぶ群に無作為に割り当て。14回の授業からなる単元) 3けたのひき算の、数の特徴を使った工夫した計算・分けて計算する方法・筆算を、まぜて学ぶ群と順に学ぶ群を比べた。まぜて学んだ群は工夫した計算を多く使い、分けて計算する方法と筆算は少なく使い、工夫した計算と筆算を問題に合わせて使う力が高かったと報告している。抄録は、算数の課題をまぜる効果についてのこれまでの結果は一貫していないとも述べている。 論文データベース確認日
高等教育で学習スタイルの神話が盛んなことPhilip M. Newton(2015) 研究論文の検索(ERIC と PubMed に載った近年の学習スタイル関連論文。件数は抄録に記載なし) 学習スタイルが高等教育で使われることを、近年の論文の89%が暗黙または明示的に支持していたと報告した。教育者が文献を調べても、現場での使用が研究で支持されていると誤解しかねない状況だと論じた。 論文データベース確認日
学習スタイルの俗説を信じる人はどれだけいるか、それは問題か:実用的な系統的レビューPhilip M. Newton、Atharva Salvi(2020) 18か国の教育者計15,405人を扱った37研究(2009年から2020年初めまでの発表) 学習スタイルに合わせた指導が有効だという自己申告の信念は、加重平均で89.1%(研究により58〜97.6%)と高く、近年減っている証拠はなかった。合わせた指導を使っている・使う予定という自己申告も同じように高かった。根拠がないことを説明する研修のあとでは、信じる回答が下がった(抄録の表現では平均37%の低下)。 出版社確認日
高校生の高等教育進学動向に関する調査研究 第二次報告書濱中 義隆、小林 雅之、吉田 香奈、朴澤 泰男、岩田 弘三、日下田 岳史(2023) 全国の全日制高校など700校の3年生の保護者を対象にした2021年12月の調査(有効回答4,930人)と、2022年3月の追加調査(1,164人) 給付型奨学金の受給が内定した人の約半数が、奨学金なしでは進学が「非常に困難」と答えた一方、新制度の導入後も、世帯収入や子どもの数による高校卒業後の進路の差は縮まっていないと報告した。貸与型奨学金を避ける動きも確認された。 政府研究機関確認日
動画は大学での学びを高める(系統的レビュー)Michael Noetel、Shantell Griffith、Oscar Delaney、Taren Sanders、Philip Parker、Borja del Pozo Cruz、Chris Lonsdale(2021) 大学生を対象にした無作為化試験105本、合計7,776人(抄録のとおり) 動画で既存の教え方を置き換えると学習はわずかに向上し(g = 0.28)、既存の授業に動画を加えると大きな向上が報告された(g = 0.80)。動画が学習を妨げることはまずないと結論している。 出版社確認日
奨学金受給が生活時間、収入、支出に与える影響大澤 銀河(2025) 日本学生支援機構の学生生活調査(2014・2016・2018・2020年度)の個票データ 似た属性の学生どうしを比べると、奨学金を受けている学生は修学費の支出や勉強時間が多い傾向があり、給付型奨学金の受給者にも同じ傾向がみられ、貸与型の受給者との大きな差は観察されなかったと報告した。 政府研究機関確認日
テスト強化学習の転移:メタ分析と総合Steven C. Pan、Timothy C. Rickard(2018) 122の実験・67本の論文、合計10,382人(年齢・学年の内訳は抄録に記載なし) 練習テストで学んだことが別の形式の問題などへ転移するかをメタ分析し、読み直し等の対照より転移の効果があった(d = 0.40)と報告している。転移は応用問題・推論問題では大きく、学んだ順番を並べ替えた問題や、例題を使う問題では小さい。 論文データベース確認日
学習スタイル:考え方と根拠Harold Pashler、Mark McDaniel、Doug Rohrer、Robert Bjork(2008) 文献レビュー(対象者・人数なし。幼稚園から大学院までの学習スタイル研究を検討) 「その子の学習スタイルに教え方を合わせると最もよく学べる」と確かめるには、学習スタイル別の群をさらに無作為に異なる指導法へ分け、同じ最終テストを受けさせて、スタイルと指導法の交互作用を示す実験が要ると整理した。そのような実験はほとんどなく、あっても合わせる仮説に反する結果が出たものがあり、学習スタイル診断を一般の教育に取り入れる十分な根拠はないと結論した。 論文データベース確認日
モダリティ効果は存在するのか、存在するならどんな効果かJoachim Reinwein(2011) 独立した86の効果(対象者の年齢・人数は抄録に記載なし) ギンズ(2005)のメタ分析を86の効果で再分析したところ、全体の効果量はd = 0.38とほぼ半分になり、出版の偏りを補正するとd = 0.20まで下がったと報告された。理論でも説明できず別の説明が要ると結論している。 論文データベース確認日
小学生の事実の学習は、思い出す練習(マインドマップの有無を問わず)で高まるStephanie J. Ritchie、Sergio Della Sala、Robert D. McIntosh(2013) 小学生(8〜12歳)。2つの実験、人数は抄録に記載なし 地理の事実を学んだ子どもで、思い出す練習の有無とマインドマップの有無を組み合わせて比べた。思い出す練習をした群は、4日後(実験1)、1週間後と5週間後(実験2)で多くの事実を再生したと報告している。マインドマップの一貫した効果は見られなかった。 論文データベース確認日
テストを受けることが長期の記憶を高める(テスト強化学習)Henry L. Roediger、Jeffrey D. Karpicke(2006) 学生(学年・人数は抄録に記載なし。2つの実験) 文章を読んだあと、自由再生テストを受けた学生と、同じ回数だけ読み直した学生を比べた。5分後の最終テストでは読み直しが上回ったが、2日後・1週間後の最終テストではテストを受けた群の記憶が大きく上回ったと報告している。 論文データベース確認日
学習スタイルと指導方法を合わせる効果:理解度への影響Beth A. Rogowsky、Barbara M. Calhoun、Paula Tallal(2015) 大学教育を受けた成人(人数は抄録に記載なし) 聴覚型・視覚型の好みを調べたうえで、同じ本を音声版か電子テキスト版のどちらかで無作為に学ばせ、直後と2週間後に理解度を測った。好みの型と、聞く・読む力や、指導法(音声か文字か)による学びとの間に有意な関係は見られず、「合わせると学べる」という仮説は統計的に支持されなかった。 論文データベース確認日
学習スタイルの好みに合わせた指導は学びを高めないBeth A. Rogowsky、Barbara M. Calhoun、Paula Tallal(2020) 小学5年生(人数は抄録に記載なし) 成人で行った2015年の研究と同じ設計を学齢期の子どもに適用した初めての研究。合わせると学べるかを確かめる形(2015年の成人の研究と同じ設計)で、聴覚型か視覚型かという好みと理解度の間に有意な関係は見つからず、視覚型の5年生のほうが聴覚型より聞く・読む両方の理解度の測定で高かった。 論文データベース確認日
数学のまぜた練習のランダム化比較試験Doug Rohrer、Robert F. Dedrick、Marissa K. Hartwig、Chi-Ngai Cheung(2020) 7年生(中学校の段階)の数学の54クラス(人数は抄録に記載なし。実施地はERICの記録の地域欄で米国フロリダ州) 事前登録したクラス単位のランダム化比較試験。4か月にわたり、続く2問が同じ解き方にならないように並べた課題か、同じ解き方の問題をまとめた課題をときどき解き、そのあと両方の群がまぜた復習の課題を解いた。1か月後の予告なしのテストで、まぜた群の正答率は61%、まとめた群は38%(効果量 d = 0.83)だったと報告している。先生は研修なしで実施でき、結果を知る前の匿名の調査でこの練習を支持したとしている。 論文データベース確認日
テストと読み返しを比べた記憶の保持:テスト効果のメタ分析Christopher A. Rowland(2014) 抄録に記載なし(メタ分析。研究数・人数は抄録に記載なし) テストと読み返し(再学習)を比べた研究をメタ分析で整理した。思い出す負担の大きい最初のテストのほうが、再認テストより効果が大きいと報告している。 論文データベース確認日
奨学金の制度変更が進学行動に与える影響佐野 晋平、川本 貴哲(2014) 1999年に貸与型奨学金の申請に使う収入基準の地域区分がなくなったことを利用した、1996〜2003年の市町村データと、過去の居住地が分かる個人データ 制度変更で新たに貸与を受けられるようになった層では短大・大学への進学確率が上がったが、その効果は制度変更の直後に限られたと報告した。 政府研究機関確認日
子どもの医療費無償化のスピルアップ効果佐藤大晃、中室牧子(2026) 青森県40市町村の「青森県子どもの生活実態調査」(2018年と2023年)の小学5年生・中学2年生とその保護者 2時点の間に子どもの医療費の無償化を導入した市町村とそれ以外を比べ、無償化は子どもの健康や医療へのアクセスに有意な影響を与えなかった一方、親の心理的な負担の尺度(K6)を0.60ポイント改善したと報告した。改善は主に所得が上位半分の世帯と、小学生の子どもを持つ親で見られ、中学生の子どもを持つ親では有意な効果は確認されなかったと報告した。 政府研究機関確認日
転校は影響するか:転校が児童生徒の成績に与える因果効果Amy Ellen Schwartz、Leanna Stiefel、Sarah A. Cordes(2017) 米国ニューヨーク市の公立小中学校に通う児童生徒の縦断記録 在籍校の学年の区切りなど学校の仕組みによって生じる転校では、中期的に英語(国語)と算数の成績が低くなり、それ以外の理由の転校では英語(国語)の成績が上がったと報告した。仕組みによる転校では、短期的に英語(国語)でさらに負の影響が加わった。 出版社確認日
テレビを使った模範授業は成績を上げるか(パプアニューギニアの公立小学校)Satoshi Shimizutani、Shimpei Taguchi、Hiroyuki Yamada(2023) パプアニューギニアの公立小学校(学校数・人数は抄録に記載なし。小学校最終学年の全国試験の成績を使用) テレビを使った模範授業の事業を導入した学校で、導入の3年後に女子の英語の成績が有意に上がったと報告された。男子には向上が見られなかった。 論文データベース確認日
子ども期の転居と健康:メタ分析Müge Simsek、Rafael Costa、Helga A.G. de Valk(2021) 1989〜2020年に発表された64研究の844の効果量 子ども期の転居と健康の間に小〜中程度の負の関連があると報告した。関連の強さは、健康の結果の種類、結果を測った年齢、転居した年齢、転居の回数で異なり、親の社会経済的地位、親の婚姻状態、民族、同時に起きた子ども期の困難が主な交絡要因だった。 大学機関リポジトリ確認日
実際の教室での語彙学習における間隔効果Hailey S. Sobel、Nicholas J. Cepeda、Irina V. Kapler(2011) 5年生の子ども39人(実際の教室) 知らない英単語を、続けて学ぶ方法と1週間あけて学ぶ方法で教え、5週間後に思い出すテストをした。1週間あけた学習のほうが、続けて学ぶより長期の成績がよかったと報告した。 出版社確認日
学校給食の全員無料化と学校・生徒の成果:系統的レビューMaureen K. Spill、Rupal Trivedi、Rachel C. Thoerig、Arin A. Balalian、Marlene B. Schwartz、Craig Gundersen、Angela Odoms-Young、Elizabeth F. Racine、Margaret J. Foster、Julie S. Davis、Amanda J. MacFarlane(2024) 米国の全員無料化制度を、無料化していない学校と比べた非無作為の研究6本(6州、1万1千校以上) 給食を食べる生徒の割合の増加は中程度の確からしさで報告され、出席・肥満・停学の変化は根拠の確からしさが低いか非常に低いとした。食事内容、家計への影響、食料不安を扱った対象研究は見つからなかったと報告した。 出版社確認日
自己負担の軽減が子どもの健康に与える影響 日本の証拠Reo Takaku(2016) 国民生活基礎調査(1995〜2010年)の未就学児115,019人と学齢児133,855人に、全市区町村への独自調査(2013年10月)から求めた都道府県・年齢・年ごとの助成対象確率を結び付けたデータ 助成の対象になることは、未就学児では主観的な健康状態の改善と関連し、学齢児では同様の改善は見られなかったと報告した。入院は未就学児・学齢児のどちらでも減らなかったと報告した。 出版社確認日
所得の低い世帯の子どもにおける患者の自己負担と医療の利用Reo Takaku(2017) 北海道の1市の国民健康保険に加入する3〜6歳の子どもの月次データ(2004年10月の制度変更の前後) 2004年10月に北海道の助成が3歳未満から未就学児全体へ広がった際、住民税非課税世帯の子どもは負担が3割から0円に、それ以外の世帯の子どもは1割になった差を使い、外来の利用の価格弾力性を-0.23と推定した。 大学機関リポジトリ確認日
小学1年生の母親の壁:日本における放課後保育の利用可能性と母親の就業継続Reo Takaku(2017) 「消費生活に関するパネル調査」のうち、第1子が未就学時に保育所を利用していた母親(核家族世帯と三世代同居世帯を比較) 第1子の小学校入学の時点で、核家族世帯の母親は三世代同居世帯の母親に比べて就業率が10.9ポイント低下し、1日の有償労働が約30分減って家事・育児の時間が同じだけ増えたと報告した。 出版社確認日
小学校一年生の壁と日本の放課後保育高久玲音(2019) 1995〜2010年の『国民生活基礎調査』の子どもを持つ世帯(子どもの月齢で小学校入学の前後を比べる回帰不連続デザイン) 子どもの小学校入学とともに母親の就労率がおおむね10%低下し、常勤雇用と短期間雇用の母親で低下が目立ったと報告した。自営業の母親では低下は観察されなかった。 政府研究機関確認日
まぜて練習することの効果Kelli Taylor、Doug Rohrer(2010) 子ども(学年・人数は抄録に記載なし。1つの実験) 4種類の算数の問題を、種類をまぜた順か、同じ種類をまとめた順で練習させ、間をあける度合いはそろえて比べた。まぜた順の練習は練習中の出来を下げた一方、1日後のテストの得点は約2倍になったと報告している。誤りの分析から、問題ごとに合う解き方を選べるようになったことによる差だと示唆している。 出版社確認日
フリースクール等に通う不登校児童・生徒支援調査研究事業 報告書東京都教育委員会、東京学芸大学(委託実施)(2024) 都内公立小・中学校等に在籍する不登校の児童生徒で、フリースクール等に通う子どもとその保護者。公募に応じ、調査協力金(令和4年度は月1万円、令和5年度は月2万円)を受けた家庭で、初回回答は令和4年度509組、令和5年度1,282組。月ごとの回答を12か月間集めた 各月に通った割合は、フリースクール等が約88%(月9日前後)、在籍校が約31%(月6日弱)、教育支援センターが約8%だった。フリースクール等の月あたりの費用(授業料・施設使用料など)は平均45,817円(令和4年度)と43,136円(令和5年度)、入会金は約4万円で、約9割の保護者が家計の負担を感じると答えた。子どもの希望進路は、中学生では定時制・通信制の高校が61.0%で最も多かった。 行政機関の報告書確認日
思い出す練習は演繹的な推論には転移しないRobert Tran、Doug Rohrer、Harold Pashler(2015) 参加者(年齢・人数は抄録に記載なし。4つの実験) 前提の文を学び、読み直す群と穴埋めテストで復習する群を比べた。前提の再生はテスト群が上回ったが、推論の多肢選択問題の成績は、思い出す練習で高まらなかったと報告している。 論文データベース確認日
まだパソコンを手放さないで:Mueller と Oppenheimer(2014)研究1の直接の追試と、似た研究の小さなメタ分析Heather L. Urry、Chelsea S. Crittle、Victoria A. Floerke、Michael Z. Leonard、Clinton S. Perry(2021) 講義を見ながらパソコンでノートを取った参加者74人と、手書きで取った68人(年齢は抄録に記載なし。ほかに似た8研究の探索的なメタ分析) もとの研究と同じく、パソコンの側はノートの語数が多く、講義の言葉をそのまま写した部分も多かった。しかし、直後の小テストでパソコンの側が手書きの側を上回ることはなく、似た8研究の探索的なメタ分析も同じ傾向だったと報告している。手書きのノートが情報の取り込みをよくすることで直後の学習を高めるという考えは、結果から支持されないとまとめている。 論文データベース確認日
オーストラリアの子どもの転居と学業成績:縦断分析Sergi Vidal、Janeen Baxter(2018) 1990年代後半に生まれた子ども3,481人の全国縦断調査と、3・5・7年生の全国学力調査の得点 転居と学業成績の関連は全体に小さかった。転居が多い子どもは成績が低い傾向があったが、家庭と住まいの状況を考慮すると関連は消え、中程度の転居、とくに別の地域への転居は成績の向上と関連した。就学前後の転居は3年生の成績の低さと関連したが、5・7年生では関連しなかったと報告した。 出版社確認日
日本の若者における奨学金の借入と家族形成Jie Wang、Hideo Akabayashi、Masayuki Kobayashi、Shinpei Sano(2024) 慶應義塾大学が収集した日本家計パネル調査の第二世代付帯調査による、高等教育を卒業した若者の全国データ とくに2年制の高等教育(短大・専門学校など)を卒業した女性で、貸与型奨学金を受けたグループは受けなかったグループより結婚の時期が遅く、子どもの数も少なかったと報告した。 著者版確認日
子どもが自分のペースで進める教材でのモダリティ効果の検証Marijke J. Witteman、Eliane Segers(2010) 小学校の最高学年の子ども80人(年齢は確認した頁に記載なし)。2条件(絵と音声、絵と文字)に無作為に割り当て 子どもが自分のペースで進める学習では、絵と音声が絵と文字より良いという通常のモダリティ効果は見られず、直後の記憶課題などでは逆に文字のほうが良かったと報告された。 大学機関リポジトリ確認日
全員対象の学校給食は、日本の子どもの果物・野菜摂取の社会経済的な差を縮めるMai Yamaguchi、Naoki Kondo、Hideki Hashimoto(2018) 首都圏で行われた社会調査に参加した6〜12歳の子ども719人。子ども向けの簡易食事歴質問票 母親の学歴が低い家庭の子どもほど野菜の摂取が少ない差が見られた一方、給食からの摂取量には家庭の社会経済的状況による差がなく、給食が野菜で約1割、果物で数パーセント、この差を縮めていたと報告した。 出版社確認日
保育の利用可能性と母親の就業:日本からの新たな証拠Chi Zhang、Shunsuke Managi(2021) 未就学児の母親を含む全国調査と市区町村データ(2015〜2017年) 保育サービス定員率の上昇は母親の就業確率上昇と関連し、増加の中心は非正規雇用だったと報告した。 出版社確認日

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