行政統計と一次研究
子育てと教育の観測型FAQ
子育てと教育の疑問を、行政統計で観測できる範囲と、研究が調べた範囲に分けて答えます。個々の世帯や子どもにとっての結果や、自治体の優劣は判定しません。
- 収録している問い
- 52件
- 参照している研究
- 112件
- 論点別コラム
- 10件
問いと回答の要約
保育アクセスと就業
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待機児童0人の自治体でも、保育所等を利用できていない申込者はいますか?
いることがあります。待機児童0人は、申し込んだ子どもが全員利用できたという意味ではありません。待機児童に数えない申込者が別に集計されるためです。
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自治体全体の定員が利用児童数を上回れば、希望する保育所へ入れますか?
入れないことがあります。市区町村ページの定員と利用児童数の差は、申込み時点で使える空き枠を表しません。
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日本では、保育サービスを利用しやすくなると母親の就業は増えると報告されていますか?
報告は一様ではありません。近年の研究には就業増加を報告するものがありますが、時期、保育の種類、子どもの年齢、代替保育の有無で結果が異なります。
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待機児童が少ない自治体へ引っ越せば、共働きを続けやすくなると研究で示されていますか?
今回確認した研究からは示されていません。保育供給や入園が就業へ及ぼす効果と、自治体を選んで転居することの効果は別です。
転居・転校と子ども
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転校した子どもは、学力が伸びにくいと研究で報告されていますか?
報告は一様ではありません。1994年までの26研究の統合では転校した子どもの読解・算数が平均して低く、米国テキサス州の学区内の転校では転校した年の算数の伸びが低い結果でした。ニューヨーク市では学校の仕組みによる転校で英語(国語)と算数が低く、それ以外の転校で英語(国語)が上がりました。オーストラリアの転居の研究では、転居が多い子どもの成績の低さは家庭と住まいを考慮すると見られなくなり、中程度の転居は成績の向上と関連しました。日本の学校で同じ比較をした研究は、今回確認した範囲にありません。
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子どもの頃の引っ越しは、心の健康や行動面の問題と関連すると報告されていますか?
関連の報告はあります。1989〜2020年に発表された64研究のメタ分析は、子ども期の転居と健康の間に、さまざまな結果をまとめて小〜中程度の負の関連を報告し、その強さは結果の種類や転居の回数などで異なるとしています。英国の1地域の出生コホートでは、心の健康との関連の多くが子どもどうしの違いで説明された一方、同じ子どもの中では関連の一部が残りました。いずれも観察研究か、その統合で、日本の子どもへの当てはまりはこれらの研究では示されていません。
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年度の途中の転校と年度の区切りでの転校で、学力への影響に違いがあると研究で報告されていますか?
報告は限られ、一様ではありません。米国テキサス州の1990年代の算数の記録では、転校した本人の負担に年度途中かどうかの差は確認されませんでした。一方、転校していない子どもでは、学校の転入が多いことによる伸びの低下が年度途中の転入で大きく、低所得層の子どもに集中していたと報告されています。時期を比べた研究は今回確認した範囲ではこの1本で、日本の学校を対象にした比較もありませんでした。
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子どもが幼いうちに暮らす地域が変わると、大人になってからの所得に違いが出ると研究で報告されていますか?
米国の2本の研究で報告されています。貧困率の高い地区の公営住宅に住む低所得世帯を対象にした家賃補助の抽選実験では、13歳より前に貧困率の低い地区へ移った子どもで大学進学率と成人後の所得が高く、思春期に移った子どもではわずかに負の影響が見られました。別の研究は、子どもの成人後の結果が良い地域へ移った家族で、子どもの結果がその地域で育った年数に比例してその地域の水準へ近づいたと報告しています。日本の市区町村間の転居で同じことが起きるかは、今回確認した研究からは示されていません。
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日本で、引っ越しや転校が子どもの学力や心の健康に長く影響するかは、研究で示されていますか?
日本の子どもについては、今回確認した研究からは示されていません。日本で確認できたのは、1980年代に転校した小学生40人の転校後3か月を追った調査で、学力や長期の心の健康は測っていません。海外では、英国の1地域の出生集団で関連の多くが子どもどうしの違いで説明されつつ、転居の後に心の健康が悪くなる関連が一部残り、オーストラリアの出生集団では関連が全体に小さく、転居の程度や時期で向きが異なりました。
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引っ越し先の市区町村によって、子ども医療費助成の通院の対象年齢は変わりますか?
変わることがあります。子ども医療費助成は市区町村ごとの制度で、2025年4月1日時点の国の調査を集計すると、全国1,741市区町村のうち通院の対象が18歳年度末までなのは1,576、15歳年度末までは145でした。同じ都道府県の中でも分かれる地域があります。
学童保育と就業・子どもの放課後
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学童保育(放課後児童クラブ)の待機児童は、何年生に多く集計されていますか?
2025年5月1日現在の国の集計では、小学4年生が最も多く、待機児童16,330人の34.2%でした。登録している児童は1〜3年生が約78%を占めており、待機児童の学年の分布とは違います。
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放課後児童クラブは、平日の何時まで開いているところが多いですか?
2025年5月1日現在の国の集計では、平日に18時半を超えて開いているクラブが全体の約62%でした。いちばん多いのは18時31分〜19時の54.9%で、19時1分以降まで開くクラブは7.4%です。
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子どもの小学校入学の前後で、母親の就業が変わると報告されていますか?
日本の研究2件(同じ著者)が、小学校入学時の母親の就業の低下を報告しています。1995〜2010年の全国調査では入学とともに母親の就労率がおおむね10%下がり、常勤雇用と短期間雇用で目立ち、自営業では観察されませんでした。もう1件は、第1子が未就学時に保育所を利用していた母親で、第1子の入学時に核家族の母親の就業率が三世代同居より10.9ポイント下がったと報告しています。どちらも近年の状況や、原因が学童保育の不足かどうかは示していません。
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学童保育を利用しやすいほど、母親の就業は増えると報告されていますか?
報告は一様ではありません。東京都の市区町村の研究は、5〜10歳人口当たりの学童保育の定員比率が増えると、35〜44歳の女性(子育て中かを区別しない)の就業率が上がったと報告しています。日本の母親を追った研究では、学童保育の利用は働く確率に有意な影響がなく、正規雇用の確率と労働時間には有意に正の影響がありました。スイスの研究は、親の就業全体には影響がみられず、母親のフルタイム就業には正の影響があったと報告しています。
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日本で、学童保育に通うことが子どもの学力や発達に影響すると、研究で示されていますか?
日本の学童保育の利用と子どもの学力・発達の関係を検証した研究は、確認した範囲では見つかっていません。海外の2件では、ドイツは平均で成績・社会行動面に有意な影響がみられず、母親の学歴が低い家庭や低所得家庭の子どもで社会行動面に良い影響があったと報告しています。米国は、学力への影響はほとんどなく、親やきょうだい以外の大人に見守られることが増え、通う群は放課後をより安全だと感じていた一方、一部の好ましくない行動が通う群で多かったと報告しています。
子ども医療費助成と受診
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子ども医療費の窓口負担が0円になると、子どもの通院は増えると報告されていますか?
確認した日本の研究では、増えるという報告で方向がそろっています。ただし同じデータや同じ研究グループによる結果を含み、独立に確かめた研究の数とは読めません。ちょうど0円になると、少額の負担が残る場合より受診が段差をもって増えたとする研究もあります。増え方の大きさは子どもの年齢、データの時期、比べた負担の差で異なり、どの自治体でも同じだけ増えるという予測にはなりません。
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子ども医療費の助成で、親の心理的な負担や家計が医療費で困る危険は変わると報告されていますか?
報告は少なく、測っているものも研究ごとに違います。青森県の調査では無償化で親の心理的な負担の改善が報告されましたが、主に所得が上位半分の世帯と小学生の親での結果です。大企業の健康保険組合の7〜14歳の研究は、窓口負担0円と比べ、1回2米ドル程度の負担では家計の金銭的な危険はあまり増えなかったとしています。世帯が払った自己負担額の変化を直接測った研究は確認できませんでした。
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子ども医療費の助成で増えた受診には、時間外の受診や抗菌薬の処方が含まれると報告されていますか?
時間外受診は、助成があると多い方向で報告がそろっています。窓口負担が0円で増えたとする2005〜2015年の研究と、助成の対象から外れると年0.14回減ったとする2018〜2023年度の報告です。抗菌薬は、不適切な使用が増えたとする研究と、処方回数に有意な変化を確認しなかった報告とに分かれています。いずれも日本の請求データの結果で、個々の受診が必要だったかは判定していません。
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子ども医療費の助成が広がると、子どもの入院が減るなど、健康の改善が報告されていますか?
確認した日本の研究では、入院全体の減少は確認されず、健康の改善は一部に限って報告されています。未就学児の主観的な健康との関連(学齢児では見られず)と、1990年代の都市部33市区町村の0〜6歳で保護者が答える症状の減少と1歳未満に限った転帰・死亡率の改善です。市区町村ごとに集計した入院件数の研究は、全体では有意な変化がなく、所得の低い地域で減り高い地域で増えたとしています。
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窓口で3割を払う地域では、子どもの受診を控える家庭が多いと報告されていますか?
多いという報告があります。東京都・長野県・広島県のふたり親で生活保護を受けていない世帯の中学2年生では、3割負担と償還払いの自治体で0円の自治体の約2倍とする研究があります。北海道では一部の地域・学年で助成ができた後に割合が下がった例がありますが、2時点の比較で助成以外の変化と分けていません。どちらも保護者の回答で、控えた受診が必要だったかや健康への影響は測っていません。
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通院の助成の対象年齢が高い自治体で育つと、大人になってからの健康がよくなると研究で示されていますか?
今回確認した研究からは示されていません。確認できた日本の研究はどれも子ども時代の受診、入院、症状などを見たもので、同じ子どもを成人後まで追い、対象年齢が高い自治体で育ったことと大人になってからの健康を比べた研究は、そのなかにありませんでした。
学校給食と子どもの栄養・体格
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給食がある日とない日で、子どもの栄養のとり方に違いがあると報告されていますか?
日本の小中学生の食事記録を使った研究では、給食のない日のほうが多くの栄養素で摂取不足が多かったと報告されています。12都道府県の研究では、脂質と食塩のとりすぎ、食物繊維の不足は給食のある日にも残っていたと報告されています。いずれも1時点の調査で、給食が健康状態を変えたかまでは調べていません。
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家庭の収入による子どもの食事の差は、給食がある日には小さいと報告されていますか?
東日本4県の小学5年生を調べた同じ横断調査の分析2本では、収入による栄養摂取の差は給食のない日に見られ、給食のある日には有意でなかったと報告されています。給食が差を縮めた因果効果を推定した研究ではありません。
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日本で、学校給食を食べることと子どもの肥満ややせの関係は報告されていますか?
日本の中学生を対象にした研究では、過体重・肥満との関係は結果が分かれています。都道府県の給食実施率が高いほど男子の過体重・肥満の割合が低い関連、1975〜1994年の調査で全体では体重への有意な影響がほぼ見られず一部の家庭で給食がないとBMIと肥満が増えたこと、近年の個人データで有意差がなかったことが、それぞれ報告されています。やせとの関連はほとんど見られていません。
給食費の無償化と家計
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給食を全員無料にした地域で、家庭の食費や食料品の買い方が変わったと報告されていますか?
米国の研究では、子どものいる家庭の食料品支出の減少が報告されています。日本の給食費無償化で家庭の食費を測った研究は、今回確認した範囲にはありません。
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日本で給食費を無償にした自治体で、子どもの栄養や体重がよくなったと研究で示されていますか?
今回確認した研究には、日本で無償化した自治体と、していない自治体、または無償化の前後で、子どもの栄養や体重を比べたものは含まれていません。海外では英国の4〜5歳児とカリフォルニア州の低所得地域の学校で肥満の低下が報告されていますが、給食の利用状況が日本と違う環境の結果で、米国の研究のまとめは肥満の変化の確からしさを低いか非常に低いとしています。
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給食費を無償にしている自治体は、その目的や成果をどのように確かめていると国の調査で分かっていますか?
文部科学省の整理では、2023年9月時点で給食費を無償化している自治体のうち、約9割が保護者の経済的負担の軽減や子育て支援を目的に挙げ、成果目標を設けたのは13.4%、成果の検証・評価を実施済みか予定しているのは16.5%でした。教育委員会の回答の集計で、無償化の効果を測ったものではありません。
不登校の統計と子どもの声
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小・中学校で不登校の子どもの数は、国の調査でどう推移していますか?
令和6年度の小・中学校の不登校は353,970人で、12年続けて増え、過去最多でした。ただし増え方は前年度の15.9%から2.2%へ小さくなり、新たに不登校となった子どもは9年ぶりに減りました。
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不登校の小・中学生のうち、教育支援センターやフリースクールなど学校外の機関で相談や指導を受けた子どもは、どれくらいと集計されていますか?
令和6年度は、学校外の機関で専門的な相談・指導を受けた不登校の小・中学生が121,375人で、うち教育支援センターが32,240人、民間団体・民間施設が18,566人でした。学校内外のどの機関でも専門的な相談・指導を受けていない子どもは135,724人で、うち120,759人は担任などから継続的な相談・指導を受けていました。
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不登校のきっかけについて、子ども本人と先生の回答は一致すると報告されていますか?
一致しない項目があると報告されています。4自治体の調査で、令和4年度の小学3年〜高校1年(中学3年を除く)のうち不登校として三者の回答を突き合わせた239名(保護者200名)では、学業の不振は回答が近かった一方、体調や不安、睡眠などの不調は本人と保護者の約7〜8割が挙げたのに対し、教師は2割弱でした。全国の代表標本での比較ではありません。
学校外の学びの場と支援
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フリースクールに通う不登校の子どもと家庭について、調査では通い方や費用について何が報告されていますか?
東京都の調査で、都内の公立小・中学校等に在籍しフリースクール等に通う不登校の子どものうち、公募に応じた家庭では、各月にフリースクール等へ通った割合が約88%(月9日前後)、在籍校へは約31%でした。月の費用は平均4万円台で、約9割の保護者が家計の負担を感じると答えています。主に15〜19歳を受け入れる施設への平成30年の調査(回答120施設)では、過去5年以内に経済的理由で退会した利用者がいたと答えた施設が4割程度でした。
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フリースクールなど学校外の学びの場に通うと、その後の進学や就労が良くなると、比べた研究で示されていますか?
今回確認した資料からは示されていません。不登校だった人のその後を追った国の調査や、経験者の振り返り、卒業生への聞き取りはありますが、通った人と通わなかった人を条件をそろえて比べ、通ったことの効果を取り出した日本の研究は確認できませんでした。
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学校に行くことの困難や強い不安がある子どもへの心理的な支援について、研究をまとめた系統的レビューでは何が報告されていますか?
主に海外の研究をまとめた2つの系統的レビューが、主に認知行動療法で、対照群より出席が改善したと報告していますが、どちらも研究の偏りのおそれを挙げています。一方、不安の改善はどちらでも統計的に有意ではなく、抑うつを調べた2025年のレビューでも有意ではありませんでした。比較試験の数は少なく、認知行動療法以外の支援はほとんど比べられておらず、日本の子どもを対象にした結果ではありません。
奨学金と進学・返済
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2020年4月に授業料等減免と給付型奨学金の拡充を行う修学支援新制度が始まってから、低所得世帯の子どもの進学は増えたと報告されていますか?
国の縦断調査で、新制度の直前に高校を卒業した1月生まれと開始年度に進学時期を迎えた7月生まれを比べた分析では、世帯年収210万〜370万円の層で7月生まれの高等教育進学率が9.2ポイント高く、210万円以下の層では有意な差はみられていません。別の保護者調査は、進学率の増減を直接推定したものではなく、世帯収入による進路の差は縮まっていないと報告しています。
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貸与型奨学金を借りられる人が増えたり、高校在学中に採用が決まったりすると、大学進学は増えると日本の研究で報告されていますか?
研究ごとに中身が違います。1999年の収入基準の変更(1996〜2003年のデータ)では、新たに貸与を受けられるようになった層の短大・大学進学確率の上昇が変更の直後に限られました。予約採用に大学進学を促す効果があったと報告した研究が1本あり(2005〜2011年の調査など)、別の研究は2005年11月の高校3年生の低所得層で予約採用と大学志願の関連(因果効果ではない)を報告しています。
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奨学金を受けている大学生は、受けていない学生より中退しにくいと研究で報告されていますか?
結果は研究によって割れています。日本では1973〜2005年入学の主に貸与型の時代の全国集計で、受給率の上昇が1〜2年遅れて大学中退率の低下と結び付いていたという関連の報告です。米国では、受給資格や給付額の境界付近の学生(フロリダ州、テキサス州の4年制大学の初年次の低所得層)でその後の学位取得の増加が報告される一方、ウィスコンシン州の実験では4年制大学の2年間の在学継続が1.7ポイント増えたものの、学位取得への効果はごく小さいという結果でした。
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貸与型奨学金や学生ローンを借りた人は、結婚や出産の時期、子どもの数、住宅の取得に違いがあると報告されていますか?
日本で確認できた研究は1本で、とくに2年制の学校を卒業した女性で、貸与型奨学金を受けたグループは受けなかったグループより結婚の時期が遅く、子どもの数も少なかったと報告しています。米国では、女性の第1子の出産の遅れとの関連(借入額がかなり大きい場合に目立つ)と、学生ローンが10%増えると離学後5年間の住宅取得率が1〜2ポイント下がったという報告があります。
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日本の給付型奨学金や授業料減免を受けて進学した人は、卒業後の就業や所得が変わると研究で示されていますか?
日本の給付型奨学金・授業料減免については、今回確認した研究からは示されていません。新制度の研究が扱うのは進学したかと進学後に給付を受けたかまでで、卒業直後の収入を比べた日本の研究は主に貸与型が対象です。米国では、テキサス州の公立4年制大学の初年次の低所得の学生で、連邦の給付額の境界による追加給付の資格がその後の所得を増やしたという報告があります。
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大学などを中退した人の理由として、経済的な困窮はどのくらいの割合で集計されていますか?
文部科学省の2024年度の調査では、中退者の最も中心的な理由が「経済的困窮」に分類されたのは13.2%でした。「その他」「不明」を除くと、最も多いのは「転学・進路変更等」の22.3%です。
学び方の研究
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学んだあと、読み返すより、小テストなどで思い出すほうが、あとまで覚えていると報告されていますか?
報告されています。読み返した人と、小テストなどで思い出す練習をした人を比べた実験とメタ分析では、数日後のテストで思い出す練習をした側の成績が高かったという報告がそろっています。ただし、学んだ直後のテストでは読み返した側が上回り、数日後には思い出す練習の側が上回った実験もあります。対象者の年齢が抄録に書かれていない研究も多く、効果の大きさは条件で変わります。
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小学生を対象にした研究でも、読み直すより思い出す練習のほうが覚えていたと報告されていますか?
報告されています。小学3年生や平均10歳の子どもの実験で、思い出す練習をした側の成績が高かったという報告があります。ただし、選択肢から選ぶテストでは差がなかった実験や、何の手がかりもなく思い出させるとほとんど思い出せなかった実験もあり、テストの形式と思い出し方の支え方で結果が分かれています。
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思い出す練習をすると、練習していない応用の問題まで解けるようになると報告されていますか?
結果が分かれています。研究をまとめたメタ分析は、応用問題や推論の問題への広がりがあったと報告しましたが、出版の偏りを補正すると条件によっては見られなくなるとしています。中学生の理科で広がりを報告した研究がある一方、推論の問題では伸びなかった研究もあります。小学生で応用問題への広がりを調べた研究は、この確認の範囲では見つかりませんでした。
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まとめて続けて繰り返すより、間をあけて繰り返すほうが、長く覚えていると報告されていますか?
報告されています。300を超える実験をまとめたメタ分析や、数百の研究をまとめた解説で、間をあけた学習のほうが長く覚えていたという報告がそろっています。小学5年生の英単語の教室での実験でも、1週間あけて学んだほうが5週間後の成績がよかったと報告されています。ただし、今回確認した小学生の研究はこの1本で、課題は単語や事実を覚えるものが中心です。
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復習までの間隔は、どれくらい先まで覚えておきたいかによって、よい長さが変わると報告されていますか?
変わると報告されています。最後のテストまでの期間が長いほど、いちばん成績がよかった復習までの間隔も長くなったという結果が、メタ分析と1,350人を超える人の実験の両方で報告されています。最初の学習から復習までの間隔を、復習から最後のテストまでの期間に対する割合で見ると、1週間後のテストで約20〜40%、1年後のテストで約5〜10%でした。どちらも対象者の年齢は抄録に書かれていません。
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「1日後・1週間後・1か月後」のように、復習の間隔をだんだん広げる決まった予定がいちばんよいと示されていますか?
この確認の範囲では示されていません。この具体的な日程を、ほかの日程と直接比べた研究は、今回確認した中にはありませんでした。間隔を広げていく組み方と等しい組み方を比べた実験では、あとのテストでどちらかが優れるという結果は報告されていません。3回の思い出しテストを行った実験では、間隔の広げ方より、間をあけた合計の長さが成績と関わっていました。ただし、練習している間の思い出しやすさは広げる組み方のほうが高かったという報告もあります。
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動画を授業に加えたり、授業の代わりに使ったりすると、成績が上がると報告されていますか?
大学生では報告されています。大学生の無作為化試験105本をまとめた系統的レビューは、動画で置き換えるとわずかに、授業に動画を加えると大きく成績が上がったと報告しました。今回確認した小学生の研究は、途上国の公立小学校で女子の英語に向上が報告された事業の評価1本で、小学生一般に当てはまるとは言えません。
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図に文字で説明を添えるより、声で説明を添えるほうが、理解が進むと報告されていますか?
結果が分かれています。研究をまとめたメタ分析は、声で添えるほうがよいと報告しましたが、同じ研究を増やして再分析すると効果はほぼ半分になり、出版の偏りを補正するとさらに小さくなりました。小学校の最高学年の子どもが自分のペースで進める実験では、声の利点は見られず、文字のほうがよかった課題もありました。効果は、だれが進む速さを決めるかで変わると報告されています。
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子どもが画面(テレビや動画、コンピュータ)を見る時間の長さと学力には、どんな関連が報告されていますか?
今回確認した2本の研究では、長く見るほど成績が高いという結果は示されていません。4〜18歳の研究をまとめたメタ分析では、画面の利用時間全体と成績に関連は見られず、テレビの視聴とテレビゲームは成績の低さと関連していました。小学生を2年間追った研究では、テレビやコンピュータを長く使っていた子の、2年後の全国学力テストの読みや算数の得点が低かったと報告されています。どちらも関連の報告で、原因は分かりません。
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「目で覚える子」「耳で覚える子」のように、子どもの好む学び方に合わせて教えると、成績が上がると示されていますか?
今回確認した研究では、好みに教え方を合わせる利点は支持されていません。学び方の好みに合わせると学べるという考えを確かめるのに必要な形の実験はほとんどなく、あっても合わせる考えに反する結果があったとするレビューがあります。小学5年生でその形の実験を行った研究でも、聞く型・見る型の好みと理解度の間に意味のある関係は見つかりませんでした。ただし調べられたのは、主に「目」と「耳」の二分と、読む・聞く理解です。
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学び方の好みに合わせて教えるとよいという考えを、多くの先生が信じていると報告されていますか?
報告されています。18か国の教育者15,405人を扱った37の研究をまとめた系統的レビューでは、合わせる指導が有効だと信じている人の割合は加重平均で89.1%で、近年減っている証拠はありませんでした。米国の調査でも、学習スタイルは教育者を含むどの集団でも最も多く信じられた脳の俗説の一つでした。日本の先生や保護者の調査は、この確認の範囲では見つかりませんでした。
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種類のちがう問題をまぜて練習すると、同じ種類をまとめて練習するより、あとのテストの成績が高かったと報告されていますか?
算数・数学では報告があります。7年生(中学校の段階)の数学54クラスの試験では、1か月後のテストの正答率が、まぜた側で61%、まとめた側で38%でした。子どもの算数の実験でも、翌日のテストの得点が約2倍だった報告があります。ただし、練習の最中はまぜた側の出来が下がり、59研究のメタ分析では効果が学ぶ材料で分かれ、単語ではまとめた側が上回っていました。
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手で書いて学ぶのと、キーボードで打って学ぶのとで、学んだことの身につき方に差があると報告されていますか?
結果は分かれています。学生の3研究では、パソコンでノートを取った側が考え方を問う問題で低い成績でした。そのうち研究1の追試では、パソコンの側が上回ることはなかったものの、手書きが情報の取り込みをよくして直後の学習を高めるという考えは支持されませんでした。大学生の24研究のメタ分析は、手書きのノートを取って見直した側の成績が少し高かった(g = 0.248)としています。幼稚園の子どもの実験では、単語を書く課題で手書きの練習の側が上回りました。ここで紹介した研究に、小学生を対象と明記した比較はありません。
論点をまとめて読む
- 学童保育の待機児童・開所時間と「小1の壁」、研究で分かっている範囲 学年別の待機児童と終了時刻は国の集計で読みます。小学校入学時の母親の就業、学童保育の利用しやすさと就業、子どもの発達は、それぞれ別の研究の範囲として分けて読みます。
- 子ども医療費助成で受診が増えることと、子どもが健康になることは別の問い 子ども医療費の助成が広がったとき、受診、受診の中身、入院や健康、受診控え、親の負担について日本の研究が何を報告しているかを、研究ごとの対象と限界とあわせて整理します。
- 候補地の「待機児童0人」から、入園しやすさや共働きの続けやすさは読めない 市区町村ページの待機児童数・定員・利用児童数と、カード下の注記を、入園や母親の就業を調べた研究の範囲と分けて読みます。
- フリースクールや心理的支援について、確かめられていることと、まだ比べられていないこと フリースクールに通う家庭の調査、不登校だった人のその後を追った国の調査、主に海外の心理的支援の研究をまとめた系統的レビューを、何を測った研究かで分けて読みます。
- 不登校35万人という数字と、子ども本人の声は分けて読む 文部科学省の不登校の集計が数えている範囲と、教師・本人・保護者の回答を比べた調査が示した違いを、数字の出どころごとに整理します。
- 学び方の研究ノート:思い出す・間をあける・まぜて解く・手で書く・動画・学習スタイル 思い出す練習、間をあけた復習、種類をまぜた練習、手で書くか打つか、動画で学ぶこと、学習スタイルの6つについて、研究で確かめられていることと、まだ確かめられていないことを分けて読みます。関連するエレメンタリーの教材も紹介しますが、その効果をこれらの研究が確かめたものではありません。
- 引っ越し・転校が子どもに与える影響は、研究でどこまで分かっているか 転校と学力、引っ越しと心の健康、転校の時期、育つ地域と成人後の所得を、海外と日本の研究の標本と報告に分けて整理します。転入先で変わる子ども医療費助成の対象年齢も、行政統計で確かめます。
- 給食費の無償化で、日本の家計や子どもの食事が変わるかはまだ分かっていない 海外の全員無料化では家庭の食料品支出の減少や子どもの体重の低下が報告されています。給食費の無償化について、海外の研究と、日本の自治体の目的・検証の集計を分けて、何が観測され、何が未検証かを整理します。
- 給食のある日とない日で、子どもの栄養はどう違うと報告されているか 日本の小中学生を調べた研究を、栄養の摂取、家庭の収入による差、肥満ややせの3つの問いに分けて、何が報告され、何が未検証かを整理します。
- 奨学金と進学・中退・卒業後の暮らしの関係は、どこまで調べられているか 給付型と貸与型の奨学金について、進学、在学中の中退、卒業後の暮らしに分けて、研究と国の統計が報告している範囲を整理します。
- 研究検証台帳 回答が参照した研究の標本・報告・限界・一次資料を、1件ずつ確認できます。
- 待機児童0人でも入れない理由と市区町村ページの4つの数字の読み方 待機児童が0人と書いてあっても申し込んで入れない人がいます。申込者数や定員など4つの数字の意味と読み方を、こども家庭庁の調査データをもとに説明します。
- 子育て世帯の引っ越し、時期の決め方 子育て世帯が引っ越しの時期を決めるときに確かめたい、子どもの予定や住まい探しの段取り、転入後の手続きを順序立てて整理します。
- 通院の対象年齢が18歳年度末に揃うのは21都道府県です 全国1,741市区町村のうち、通院の対象年齢が18歳年度末なのは1,576自治体です。同じ県内でも市区町村ごとに対象年齢が分かれる地域があります。県境をまたぐ候補地を比べるときの確認順と、通院対象年齢の分布を整理します。
- 学童保育と保育所の待機児童は別の数字、引っ越し前に見る3つの視点 学童保育の待機児童は保育所の待機児童と別の調査の数字です。引っ越し先を比べる前に確認したい3つの視点を、こども家庭庁の調査データから整理して紹介します。
- 通院で窓口支払いがある421自治体、222自治体が6都道府県に集中 子ども医療費助成の自己負担を全国1,741市区町村で集計しました。通院で「窓口で支払いあり」は421自治体で、半数超が6都道府県に集まっています。通院と入院の違いや候補地の確認順序を紹介します。
- 子ども医療費は通院と入院を分けて確認、138自治体で違う条件 子ども医療費助成の対象年齢・所得制限・自己負担は通院と入院で別に決まります。全国1,741市区町村のうち138自治体で条件が食い違う当サイト集計から、市区町村ページの4つの欄を確かめる順序をまとめます。
- 子ども医療費の払い戻しは、いったん払ったあと市区町村へ申請します 「市区町村名 医療費 払い戻し」「償還払い」「県外」で探すときに、対象になりやすい場面・必要書類の例・保険者への先手続き・期限の確認順をまとめます。
- 給食費の無償化、引っ越し先で確かめたい4つの条件 給食費の無償化は、市区町村によって対象の学年や期間が異なります。引っ越し先を比べるときに見ておきたい4つの条件をわかりやすく整理しました。
- フリースクール利用料補助は12都県と116市区町村で確認できました フリースクール利用料の補助は全国一律ではなく、自治体ごとに実施しています。当サイトが確認できた12都県と116市区町村の制度をもとに、お住まいの地域の確かめ方をまとめます。
- 自治体の奨学金返還支援は対象と金額と条件の順で確かめます 自治体の奨学金返還支援は、対象となる奨学金、支援総額と年数、住まいと仕事の条件の順に確かめます。実際の制度例をもとに要綱の読み方を整理して解説します。