研究検証台帳
地域が世代間の所得移動に与える影響(第1部):子ども期の居住期間の効果
Raj Chetty、Nathaniel Hendren(2018年)
書誌と確認の記録
- 資料の種別
- 出版社
- DOI
- 10.1093/qje/qjy007
- 確認日
標本
米国で通勤圏や郡をまたいで転居した700万を超える家族の子ども(税務記録)
報告
子どもの成人後の所得などが良い地域へ移った家族では、子どもの結果がその地域で育った年数に比例して改善し、転入先にもとから住む子どもの成人後の結果へ、居住1年あたり約4%の割合で近づいたと報告した。きょうだいの比較や、立ち退きなどで生じた転居も使って、地域の影響を家族の違いから分けている。
限界
- 一般化できない範囲
- 米国の地域差に基づく推計で、日本の地域間の差の大きさや、日本の転居世帯の子どもへの効果は示さない。地域の良さは、そこで育った子どもの成人後の結果で測っており、学校や制度のどの要素が効くかは特定していない。
この研究を参照するページ
- 子どもが幼いうちに暮らす地域が変わると、大人になってからの所得に違いが出ると研究で報告されていますか?米国の2本の研究で報告されています。貧困率の高い地区の公営住宅に住む低所得世帯を対象にした家賃補助の抽選実験では、13歳より前に貧困率の低い地区へ移った子どもで大学進学率と成人後の所得が高く、思春期に移った子どもではわずかに負の影響が見られました。別の研究は、子どもの成人後の結果が良い地域へ移った家族で、子どもの結果がその地域で育った年数に比例してその地域の水準へ近づいたと報告しています。日本の市区町村間の転居で同じことが起きるかは、今回確認した研究からは示されていません。
- 引っ越し・転校が子どもに与える影響は、研究でどこまで分かっているか転校と学力、引っ越しと心の健康、転校の時期、育つ地域と成人後の所得を、海外と日本の研究の標本と報告に分けて整理します。転入先で変わる子ども医療費助成の対象年齢も、行政統計で確かめます。
- 研究検証台帳の一覧登録済みの研究を標本・報告・一次資料で並べています。