子育て世帯の引っ越しガイド

待機児童0人でも入れない理由と市区町村ページの4つの数字の読み方

市区町村のページに「待機児童数 0人」とあっても、保育所(保育園などの施設のこと)に申し込んで利用できていない子どもがいる市区町村があります。国が集計する待機児童の数には、決まりによって数えない申込者が含まれているためです。こども家庭庁「保育所等関連状況取りまとめ」によると、全国の保育所等の待機児童は2,254人です。これとは別に、育児休業中であるなどの理由で待機児童に数えない申込者が58,958人います(2025年4月1日現在)。

公開日: 更新日:

広告(アフィリエイトリンク)を掲載する予定の場所です。現時点では広告を掲載していません。

待機児童が0人の市区町村でも利用できていない申込者がいます

国が数える待機児童は、認可保育所(国の基準を満たした施設のこと)などに申し込んで入れなかった子どもの全員ではありません。利用できていない場合でも、特定の条件にあてはまると数から外れる決まりになっています。

数え方を決めているのは国です。たとえば、育児休業中(仕事を休んで子育てする期間のこと)でお休みを続けている場合などは、集計で別に数えられます。通える範囲で希望園をしぼっている場合や、仕事探しを休んでいる場合も同じ扱いです。

待機児童に数えない申込者の詳しい内訳は、下の表を見てください。この申込者は、待機児童が0人の市区町村にもいます。

待機児童が0人の1,530市区町村のうち511市区町村で、待機児童に数えない申込者が1人以上います。そのため「待機児童は0人」という発表と「申し込んだが利用に至っていない人がいる」という状態は、同じ調査のなかで同時に成り立ちます。

待機児童に数えない申込者の分類全国の合計
特定の保育園等のみ希望している者39,469人
育児休業中の者15,043人
求職活動を休止している者4,446人
合計58,958人

身近な言い方に直すと、通える範囲や送り迎えの都合で申込先をいくつかに絞っている場合、育児休業を延長して待っている場合、仕事を探すのをいったん止めている場合です。どれも申込みを取り下げたわけではなく、集計のうえで別に数えられているだけです。

この分類の申込者は、待機児童が0人の市区町村にもいます。市区町村ごとに数えると、待機児童が0人の1,530市区町村のうち511市区町村で、待機児童に数えない申込者が1人以上います。「待機児童は0人」と「申し込んだが利用に至っていない人がいる」は、同じ調査のなかで同時に成り立ちます。

4つの数字はそれぞれ別の対象を数えています

市区町村のページには、待機児童数のほかに申込者数、利用児童数、定員が並んでいます。これらは同じ調査の表にある数字ですが、それぞれ別の対象を数えています。

全国の申込者数は2,765,235人で、利用児童数は2,704,023人です。待機児童数は2,254人ですが、申込者数から利用児童数を引いた残りの58,958人が、待機児童に数えない申込者にあたります。

申込者数は、利用児童数と待機児童数、そして待機児童に数えない申込者の3つに分かれます。この関係は1,741市区町村のすべてで成り立ちます。

待機児童数だけを見ると、申し込んだのに利用できていない人数を小さく見積もることになります。4つの数字が何を数えているかの全体像は、下の表を見てください。

市区町村ページの項目全国の合計数えているもの
申込者数2,765,235人認可保育所などの利用を申し込んだ子どもの人数
利用児童数2,704,023人実際に保育所などを利用している子どもの人数
待機児童数2,254人申し込んで入れなかった子どものうち、国の基準で数えた人数
定員3,187,464人保育所などが受け入れられる人数の合計

申込者数から利用児童数を引くと61,212人です。ところが待機児童数は2,254人しかありません。差の残りにあたる58,958人が、前の節で見た「待機児童に数えない申込者」です。申込者数は、利用児童数・待機児童数・待機児童に数えない申込者の3つに分かれます。この関係は1,741市区町村のすべてで成り立ちます。

待機児童数だけを見ると、申し込んだのに利用できていない人数を、実際より小さく見積もることになります。

定員に空きがあっても入れる枠とは限りません

全国の合計では、定員が利用児童数を483,441人上回っています。それでも全国には2,254人の待機児童がいます。

定員は受け入れられる人数の合計です。利用児童数は実際に利用している子どもの人数を示します。この2つの数字の差は、そのまま入れる空き人数を示すものではありません。

定員は、保育所や認定こども園といった施設の種類ごと、さらに0歳や1歳といった年齢ごとの枠を足し上げた数字です。空いている枠が3歳児のもので入りたいのが1歳児なら、その枠は使えません。通える範囲の外にある枠も同じです。

待機児童がいる211市区町村のうち193は、定員の合計が利用児童数の合計を上回っています。逆に、利用児童数が定員を上回っている市区町村も94あります。

市区町村ページの数字はこの順番で確かめます

候補地を見るときは、4つの数字を「申込者数→利用児童数→待機児童数→定員」の順に見ます。数字はすべて同じ基準日のもので、市区町村どうしをそのままくらべられます。

まず申込者数と利用児童数の差を見ます。この差が、申し込んで利用に至っていない子どもの人数です。あわせて、カードの下にある注記で待機児童に含まれない申込者の人数を確かめます。

定員と利用児童数は、その市区町村がどれくらいの規模で受け入れているかを知る目安として見ます。全国調査は4月1日時点の集計で、年度途中の状況までは分かりません。年齢ごとの受け入れ状況や年度途中の案内は、情報を公開している市区町村では公式ページで確かめられます。

候補地がまだ決まっていないときは「子ども医療費助成の条件からしぼりこむ」ページで候補を出せます。年ごとの変化は「10年度分の推移を比べる記事」で確認できます。

学童保育の数字は別の調査で集めています

小学生が放課後を過ごす学童保育(放課後児童クラブのこと)でも「待機児童」という言葉が使われます。小学校に入ってからの居場所を探す場面で目にする表現です。

学童保育の数字は、保育所の調査とは別の調査で集めています。数え方の基準も違うため、保育所の数字と並べてくらべることはできません。

年齢別の数字は「年齢ごとの内訳を扱う記事」で整理しています。学童保育の仕組みは「学童保育の待機児童を扱ったコラム」で確認できます。

基準日
2025年4月1日現在