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観測型FAQ研究

学んだあと、読み返すより、小テストなどで思い出すほうが、あとまで覚えていると報告されていますか?

回答の要約
報告されています。読み返した人と、小テストなどで思い出す練習をした人を比べた実験とメタ分析では、数日後のテストで思い出す練習をした側の成績が高かったという報告がそろっています。ただし、学んだ直後のテストでは読み返した側が上回り、数日後には思い出す練習の側が上回った実験もあります。対象者の年齢が抄録に書かれていない研究も多く、効果の大きさは条件で変わります。

直後は読み返しが上回り、2日後と1週間後は思い出す練習が上回った実験があります

学生が文章を読んだあと、何も見ずに思い出して書き出すテストを受けた群と、同じ回数だけ読み直した群を比べた実験は、5分後の最終テストでは読み直した群が上回った一方、2日後と1週間後の最終テストでは、テストを受けた群がはっきり上回ったと報告しています。

研究をまとめたメタ分析でも、練習テストは読み返しなどより学習に役立ったと報告されています

練習テストと、読み返しなどテストをしない条件を比べた研究をまとめたメタ分析は、練習テストのほうが学習に役立ったと報告しています。ただし効果は、テストの形式や対象者などで変わるとしています。テストと読み返しを比べた別のメタ分析は、選択肢から選ぶテストより、自分で思い出して答えるテストのほうが効果が大きかったと報告しています。どちらも抄録には効果量の数値がなく、どれくらい差があるかは、この確認の範囲では言えません。

10の学習法を比べたレビューは、練習テストを高く、読み返しを低く評価しました

10の学習法を比べた文献レビューは、練習テストと、間をあけて繰り返す学習(分散学習)を、年齢や能力の違う学習者や、いろいろな課題・教室で成績を上げたとして高く評価しました。読み返しは、成績を一貫して上げなかったとして低く評価しています。

学校や教室での実験をまとめたレビューでも、効果が報告されています

学校や教室で行われた50の実験(合計5,374人)を整理した系統的レビューは、57%の実験で中程度以上の効果があったと報告しています。校種・教科・最終テストの形式が違っても効果が見られたとしていますが、43%の実験では効果が中程度に届いていません。また、欧米などの教育水準が高く豊かな民主国家(WEIRDと呼ばれます)以外で行われた実験は6%にとどまり、研究が行われた社会の背景に偏りがあります。

この回答が参照した研究

研究ごとに、調べた対象(標本)、報告された内容、この問いでの用い方を分けて示します。

研究 標本 この問いでの用い方
テストを受けることが長期の記憶を高める(テスト強化学習)Henry L. Roediger、Jeffrey D. Karpicke(2006) 学生(学年・人数は抄録に記載なし。2つの実験) 直後は読み直しが上回り、2日後・1週間後は思い出す練習が上回った実験
テストの使い方を見直す:練習テストのメタ分析Olusola O. Adesope、Dominic A. Trevisan、Narayankripa Sundararajan(2017) 抄録に記載なし(メタ分析。研究数・人数は抄録に記載なし) 練習テストが読み返しなどより学習に役立ったとしたメタ分析
テストと読み返しを比べた記憶の保持:テスト効果のメタ分析Christopher A. Rowland(2014) 抄録に記載なし(メタ分析。研究数・人数は抄録に記載なし) 自分で思い出すテストのほうが、選ぶテストより効果が大きかったとしたメタ分析
学習者の学びを高める効果的な学習法:認知・教育心理学から見えてきた有望な方向John Dunlosky、Katherine A. Rawson、Elizabeth J. Marsh、Mitchell J. Nathan、Daniel T. Willingham(2013) 抄録に記載なし(10の学習法の文献レビュー) 練習テストを高く、読み返しを低く評価した10の学習法のレビュー
思い出す練習は学習を一貫して助ける:学校・教室での応用研究の系統的レビューPooja K. Agarwal、Ludmila D. Nunes、Janell R. Blunt(2021) 教室での50の実験(効果量49件、合計5,374人)。学年別の内訳は抄録に記載なし 学校・教室での50の実験の57%で中程度以上の効果とした系統的レビュー

この回答で分からないこと

限界
対象者の年齢が抄録に書かれていない研究が多く、課題は文章や単語を思い出すものが中心です。メタ分析の抄録には効果量の数値がなく、効果の大きさはテストの形式や対象で変わります。学んだ直後のテストでは読み返しが上回った実験もあり、「思い出す練習ならいつでも成績が上がる」とは言えません。この確認は研究の抄録の範囲で、個々の子どもにどの勉強法が合うかを判定しません。
出典の層
一次資料を確認した研究5件の報告です。研究の対象と識別方法は同じではありません。